『合縁奇縁』
ある時は『A級審判』ある時は『アナウンス』
本当はなにもの?
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2013/07/09(火) 少年二人が巻き込まれる数奇な運命に乞うご期待!!
搭乗ゲートへ向かう窪は少々憂鬱であった。この旅が音黒と一緒だったら楽しかったのに・・・そんな思いからだ。 「よりによって小島とかよ・・・」何度つぶやいたことか
大田区とロシアのサンクトペテルブルクは姉妹都市提携を行っており、毎年夏休みには中学生の交換留学生交流事業を進めている。今年は大森中学校が選ばれ、ジャンケンで勝ち残った二人が選ばれたのだ。すでに準決勝を勝ち抜いてロシア行きを決めた窪にとって、一緒にいくパートナーは音黒と小島の勝った方となった。なんとしてでも音黒に勝って欲しかった窪は心の中で必死に応援した。しかし・・・結果は小島が勝ち、二人でロシアに旅立つこととなったのである。 
もともと窪も小島のことは嫌いではなかった。いや、むしろ良く遊んだし、同じサッカー部で汗も流してきた。しかし、小島が去年の夏休みくらいからちょくちょく嘘をついて部活を休みだしたのと、来ても遅刻ばっかりしていたことに少し腹が立っていた。今年になってからほとんど来なくなっていたが、正式に3月いっぱいで退部したのであった。部活をやめたことは窪にとって気にならなかったが、4月から同じクラスになったことで学業の成績についても気に入らないことがあり、ますます奴を遠ざけてしまう原因になったのだろうと自己分析していた。
それはこの前の模試についてだった。通信教育で添削などをやっている大手の会社の模試で「おれ、日本一になったぜ〜」と高らかに自慢していたことを聞いた時だった。
「またあいつ・・・やったのか・・」窪は気分がズンズン悪くなっていくのを感じていた。
通信教育の模試は当然試験会場で受けるものではない。自宅で時間を決めて受け、それを会社に送るのだ。しかし、自宅なので好きなように参考書を開ける環境を悪用して答えを書き込み自分の手柄として親に報告する奴を何人も知っている窪にとって「やったのか」は当然のことであった。「そんな嘘の点数取って・・・あいつ何が楽しんだろ・・・」虚しいのと腹立たしいのと・・・窪は小島の1年生3学期の成績を知っていた。お互い成績を見せ合って「なんだよ小島〜お前、頭良いとか言ってる割には2と3しかないじゃんかよ〜」と大笑いしたのであった。 あれから3ヶ月・・・授業を見ていても伸びている様子のない小島がいきなり全国一位になるわけがないことを窪はわかっていたのだった。まして「あいつさ〜塾でも先生がコピー取っている間に答えを覗いてんだぜ〜」と同じ塾に通う折川が言っていたのも覚えていた。「ど〜せやったんだろうな。今回の期末だって学年一位どころか、クラス一位、いや、クラスの男子の中でさえ一位になれないんだ・・・そんな奴が全国一位になるなんてちゃんちゃらおかしいよ」生真面目な窪はそのあざとさが気に入らなかったのだ。だから今回のロシアは何としても一緒は嫌だったのである。
とは言え、ここまで来たからには一緒に行くしかないのだが・・・東京を出発する時からゲームと戦隊ものの話をとりとめなくしているコジマにへきへきとしながらもパスポートとチケットを改めて確認したあと、搭乗ゲートへ向かう途中に「機内では寝たふりしておこう」と思うのであった。


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