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2004/07/22(木)
気付いて欲しい
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目が覚めて、今日も朝を迎える。 支度をして、今日も仕事場へと向かう。 天気は曇り、色彩を無くした街が広がっている。 でも誰も、そんな事は気にしない・・・ そんな事には気付かないし、気付いちゃいけない・・・
今朝の天気は曇り、昨日より気温は少し低くなったが、それでも蒸し暑いのには変わりない。 もっとも、照りつける太陽から感じる輻射熱が無いだけ過ごし易いが、いまひとつテンションが上がらない。 仕事場へ向かう足取りが少しだけ重いのは、暑さのせいだけではないのかも・・・
昨夜、メル友さんから電話があった。 死んでしまいたいと・・・ 鬱の傾向のある所に、バイト先で嫌な事があったらしい。
私は電話で話を聞く 実際、電話越しだと、ただ話を聞く事しか出来ない 相手が話しやすくなる雰囲気を作る事が、私に出来る精一杯の事
同年代と居るだけでパニック症候群に陥るので、普段人と話すことをしないと言う彼女は泣きながら、なぜ死にたいと思ったのかや、人に言った事の無い胸の内の、色んな事を喋り始めた。
やりたかった事・出来なかった事・劣等感・言えなかった事・諦めた事・諦めたくなかった事・・・ そして、それらに耐え切れなくなって、心の一部が壊れてしまった事を・・・
友達にも言えず、親が心配するからと親にも言えなかったんだと喋り続ける。
私は、ただ相槌をうち、相手の喋りたいという気持ちを引き出させる雰囲気を作る事しか出来なかったのは、少年時代の私が持っていた感情と、似ている部分も多くあったからだった。 なので、言葉での同情も、気の効いた慰めの言葉も無意味と思われて、それらを多くかける事は出来なかった。
ただ、彼女は気付いて欲しいのだ 平静を装っていても、寂しくて悲しくて、心の中がどんなに荒んでしまっているかを・・・
喋り疲れた頃、私は彼女に伝えた・・・ そんな君が居る事を、私は気付いたよ、認識したよと・・・ そして、言葉は無力で、想いの10分の1も伝わらないから、君の気持ちの全ては解からないけど、とにかく気付いたよと・・・
しばらくして、電話の向こうから、再び死にたいとの言葉が発せられる。 ただ、今度の死にたいは、かまって欲しいと取れる「死にたい」だった。
私の「死ぬな」の言葉が嬉しいのか、電話を終えるまで死を予感させる言葉を繰り返す・・・
翌日の今日、彼女の携帯の日記サイトに「○○は元気です!」の一行だけの書き込み(○○は彼女の名前)を見た。
どうやら彼女は生き延びた様だ。
今日を生き延びれた者は幸いなり、たぶん明日も生きていられるだろうからね。
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