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2002/11/25(月) "Autumn Leaves"
「なんだか身内が亡くなったときよりも悲しいね」・・ビューイング(日本で言うお通夜みたいなものでしょうか)やヒューネラル(お葬式)で集まった生徒達みんなでそう言って泣きました。それだけサー・ローランド・ハナ先生は出会った人みんなに暖かい愛情を与えてくれた人だったのです。さっきもスイスのツアーでお葬式に間に合わなかったと、クイーンズ・カレッジの同窓生でドラムの
ジェフ・シーゲルが電話してきて「ローランドは(生徒はみんな気軽にそう呼んでました)僕の音楽の父親だった」と言った。

 ローランドがこの世にもういない? いったいそれってどういうこと? ぼう然として窓の外を眺めていると、木々の葉がはらはらと落ちているのに目が止まった。 あの木の葉っぱは土に還り、春になるとまた新しい芽が出て、夏には緑が生い茂って、そしてまた秋には枯れて・・ずっとそれを繰り返すんですよね。
ローランドもあの葉っぱと同じように土に還ったのだろうか・・そしてまた新しく生まれ変わるのだろうか。バプティスト教会のパスターもお葬式のとき、また生まれ変わるって言ったような気がする。輪廻転生って仏教だけかと思ってたけど。

 ローランドはレッスンのとき「君はひとりで練習してるときはあんなに弾けてたのに何で人前ではこんなに萎縮しちゃうのかね。」と言われたことがある。なんと練習してるのまで聴かれてしまっていたのだ〜。ローランドのレッスンは恐かったので、いつも緊張してヘロヘロだった私。

「精神的に強くなるように、君はもっとバイブル(聖書)を読みなさい。日本の仏教にもあるだろう。」ローランドのあの暖かい演奏は神に捧げるものなのか。仏教のバイブルとは「般若心経」か? そう思って紀伊国屋で(ニューヨークにもあるんです。ミッドタウンのロックフェラーセンターそば。おトイレもあります。ミッドタウンで困った方、一応念のため。)さっそく「現代人のための般若心経」というのを買ってきた。それからニューヨーク禅堂の座禅会にも通うようになった。今だに強くなったかは疑問だが・・・
 10月16日に中野の病院で会った時、ローランドはこう言いました。「君のCD(「森羅万象」のこと)とっても良かったが、今度は管楽器なしでピアノトリオの作品を作りなさい。君は充分できるピアニストなんだから。」これがローランドからもらった最後の宿題であり、遺言のように今となっては聞える。がんばらなくては。でもそれ以上に、音楽を通して人間の生き方、もっと大きく言えば宇
宙の法則のようなもの、それこそ「森羅万象」を教えようとしてくれたのかもしれない・・。葉っぱを見ているうちにそんな気がしてきました。

photos by Roy Gumpel


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