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2003/02/15(土)
キューン先生、デジカメの実験台になる
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氷点下10度のニューヨークで反戦デモが行われた。予想人数10万人をはるかに越えていたそうだ。 アメリカ人の大半がブッシュ政権を支持しているようにメディアでは伝えられているけれど、「NO」という人がこんなにいるんだということを世界中の人にも知ってもらえたんじゃないかな。テレビでも全米の他の都市や、ベルリン、そして東京でもデモが行われたと伝えていた。なんだかいい方向に向かっているようでうれしかった。 ちょっと気が楽になったので買い物に出かけることにした。「戦争反対」のプラカードを持った人やバッジを付けた人にたくさん出会った。ここ数日、地下鉄にも「反戦」や「平和」を訴えるチラシが貼ってあった。そう、この「地下鉄」がテロの標的になる危険性が高いと言われているのだ。いつもあたりを見回して緊張しながら乗ってしまう。時間があるときはバスにしたりして。
何のお買い物って?エヘヘ。デジカメを買いました。今夜はピアニストの石川道華ちゃんからスティーブ・キューン先生のライブのお知らせをもらったので、さっそくデジカメ持って久々にキューン先生に会いに行くことにした。道華ちゃんはキューン先生の愛弟子だ。うちから歩いて20分ぐらいの「ニッカ・ボッカー」というレストランでのライブだ。氷点下10度の中、気持ちよく(?)小走りに「ニッカ・ボッカー」へ向かう。 キューン先生は実は私のニューヨークでの最初のピアノの先生だ。かれこれ10年以上昔の話だが。日本でもキューン先生のファンは多いが、私はニューヨークに来て初めて聴いてファンになり、レッスンをお願いした。当時彼はロングアイランドに住んでいたので、ニューヨークに来たばっかりの私は一人でドキドキしながらロングアイランド鉄道に乗ってマンハッタンから40分程のお宅に通った。約束の電車に1本乗り遅れ、「マサピークァ」の駅まで車で迎えに来てくれた先生を待たせてしまったことも..。
その懐かしいキューン先生と久々の対面。道華ちゃんと国音の先輩でボーカルの植村美芳子さんとキューン先生と私の4人で休憩時間にテーブルを囲んだ。さっそくデジカメを取り出し、キューン先生を実験台にしてしまった。「今日買ったばっかりなんです。」と私。「これって使い捨てカメラなの?」とキューン先生。そんなぁ、言葉を失ってしまった私。となごやかに(?)話も進んでいくうちにあることに気が付いた。どうやらキューン先生は私の事を把握していない御様子。「あのぅ、私の事を覚えていますか?」しばし説明をすると、「あ〜そうか!思い出した!すまん、すまん。君は才能ある生徒だった」と必死に取り繕うキューン先生。まぁいいか。「でもあの頃全然英語ができなかった私の言う事を理解してくれて嬉しかったです。他のアメリカ人には全然通じなくても、キューン先生には通じた。」と言うと「それはここさ。」と御自分のハートをトントンと叩いた。そう、とっても寛大な人なのだ。道華ちゃんとも「レッスンで怒られたことないよね」と話した。でも道華ちゃんいわく「ため息はつくけど・・」。それをキューン先生に言うと、今度は先生が言葉を失ってしまった(笑)。
この日のライブでとても印象に残ったのは「アイ・ラブ・ユー・ポーギー」と「ネバー・レット・ミー・ゴー」のバラード。「ポーギー」や「ネバー・・」をEで弾いていたけど、いいキーだなぁ。私も挑戦してみよう。(彼の演奏を聴いたことのない方、「モーストリー・バラード」というアルバムを聴いてみてください。いいですよ。)それからオリジナルの「オーシャン・イン・ザ・スカイ」も波に乗って空まで連れていってくれるようで気持ちよかった。キューン先生の世界を満喫して、また歩いて家に戻ると午前3時近く。お腹が空いてしまって、非常食用に買った「どんべえ」を食べてしまった。また補充しなきゃ。ヤバイ、気が抜けすぎた自分が情けない。気を引き締めなきゃ。
4月にキューン先生の日本公演があるようです。是非皆さん足をお運びくださいね。
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