稽古場日記
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2004/10/17(日) 青少年の健全育成/山南純平
 集団で青少年が「オマンコマーク」を振りかざす。
 それは咲希が「豆満江(ズマンコー)」の歌を唄っている時。

 「豆満江とオマンコはどちらが深い・・・」

 満州ではどれだけの慰安婦が性を犠牲にしたことだろうか。この歌には朝鮮人の深い悲しみがあるのです。
 この劇では<万寿シャゲ>という朝鮮人の少女が登場します。その役を<桃色咲希>がやります。
 今日の稽古中、咲希が歌っている最中、思いもつかぬ衝動に掻き立てられた!・・・ここで「オマンコマーク」の旗をみんなで振りかざそう!机上では思いも及ばない、稽古場の空気が私に思いつかせた。

 豆満江は北朝鮮と中国の国境を流れる川である。
 「性」は戦争や貧困の時、深い悲しみになってしまう場合がある。歴史的事実が女性の悲劇をどん底まで見せているのだ。
 しかし、性は本来、明るくて大らかなものである。人と人の肉体的精神的な結びつきや「愛」までも感じさせてしまう生命の根源とまで思われるほどの偉大で素晴らしいもの。
 
 この歌は悲しいだけでは終わりはしない!
 万寿シャゲという少女は力強く生きているのだ!
 劇という虚構世界ではこの「オマンコ」は「豆満江」と同じような優しい深さがあるのです。そして、頑張れオマンコ!応援旗でもあるのです。

 未成年の劇団員にこのマークを振らせて「セクハラではないか!」と目くじらを立ててくる方もいらっしゃるだろう。
 一応、劇団員に聞いてみた。
 「嫌だったら、振らなくてもいいよ」
 しかし、みんなニコニコしている。
 とても楽しそうである。
 さぁ、本番ではどうなっているのだろうか。私の演出はコロコロ変化する。見えないものがどんどん見えてくるからだ。言葉だけでは見えない不思議な世界が湧いてしまうのだ。解説や解釈では追いついて行かない。・・・劇団員の親も見に来られるだろう。終演後、皆さんとお話しできることを楽しみにしています。
 この劇は深い「愛」が流れています。


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