稽古場日記
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2007/04/01 劇団夢桟敷 稽古日記(1)
2005/12/31 瀧本誠を見ますよ。/咲希
2005/12/30 御挨拶/咲希
2005/12/29 2005年が終わります、もうすぐ/咲希
2005/12/28 大掃除/咲希

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2004/11/30(火) バカも風邪をひく/山南
何年かぶりで風邪をひいた。
 朝から喉の痛みと頭痛、悪寒に鼻汁である。
 劇団員が風邪をひいて苦しんでいる時は「オメエラ、バカじゃない証拠だよ!」と笑い飛ばしていたが、いざ、自分の身に振りかかると「バカじゃない」では治まらない。
 肉眼では見えぬウイルスめ。私のアングラパワーで退治してやろうか!アングラパワーを舐めたら容赦はしない。えーい、焼酎を持って来い。
「あら、あなた、うちには酒を買うお金がありません」
「お金がなかったら、車を売り飛ばして来い」
「車がなかったら、あしたからどうやって生きていくのです?」
「うるさい、酒だ、酒だー」

 ウイルスにやられた脳で妄想を見ていたのである。
 今日はそんな調子で棟梁(方尾さん)との昼食会を断った。
 しかし、昼過ぎには鼻汁だけでも治まってきたような気がした。
 冬馬とふたりで写真屋へと急いだ。
 資料作製の大事な写真である。
「バカは風邪をひかない!」は迷信だったのである。

2004/11/28(日) BBSより/山南
先週の「愛の乞食」公演以降、入団希望の問合せが電話などでチラホラありました。劇団員が増えようが減ろうが、ひとりでも千人でも夢桟敷は演劇の波を送ります。

 昨日は「劇団きららに問い合わせるつもりが上海公演で留守のためウチにきました」という男性(34)が稽古見学、そのまま申し込み用紙にサインさせるような荒業で入団を決め、セールスだったら怪しい商品を売り付けているような気分になってしまったのです。
 ごめんよ、きららさん!
 
 演劇に年齢は関係ありません。
 棟梁(方尾さん)は56才で役者デビューです。
 肥後にわかのスゴイところはシルバーになっても現役のバリバリでやっているところです。
 これからの高齢化社会の演劇事情は老人たちと世代を越えたアングラ劇が火を吹くでしょう!
 
 若い時だけのサブカルチャーは、老人が老人になりきれずにいる大人たちと子どもたちのタッグにより一大演劇産業革命を推し進める原動力を作り出していくことになるだろう。
 もはや老兵は戦場の最前線に立つ時代でもある。
 老兵は去る時代は終わったのだ。
 エライ老人が後ろから「前へススメ!」と言って若者たちを早死にさせる時代よ、サヨナラだ。

 というわけで、ついこの間まで「アングラ児童劇団」だった夢桟敷も、かれらも大人になりつつあり外からの大人も交わりつつある。つまり、世代交代ではなく世代交流がはじまった。
 世代間でこっそり楽しんでいる断絶を演劇活動で風通し良くしましょう。スースースー!

 ともあれ、夢桟敷は面白くなってきた。
 ひとくせもふたくせも、よそにはないつわものが揃いつつある。一筋縄ではいかないからこそ演劇が面白くなっていくのです。

2004/11/27(土) あっぱれ天国!座長の心意気/咲希
公演が終わって初めての稽古がやってまいりました。
入団希望者の男性が稽古場に顔を出してくれました。
ヘビースモーカーの、とても個性が光る方です。

今日はその男性と先日入団した小田沙緒里さんも稽古に来ている為、ワークショップのような感じの稽古でした。
基礎トレを中心に、ゲーム感覚で出来る稽古です。
久しぶりの基礎トレはとても新鮮です。

そして今日もやってくれました、座長が。
腹のよじれる笑いをワタシ達に提供してくれました。
以前は下ネタでワタシ達を喜ばせ(11月4日の稽古日記参照)、今日は何を。

稽古後半戦、アドリブ能力を培う為の稽古。
学校教師が生徒に挨拶指導をする内容です。
コンビネーションは以下の通り。
教師=座長(みどりのおばさん、尼蔵キャラ) 生徒=坂本冬馬(朝日生命、田口キャラ)
元気良く田口に「おはようございます!」と言わせる為に、尼蔵はお手本を示し必死に頑張ります。
猫背でガニ股で田口の前に立ちはだかり
「おうぁよぉぅぐぉざいまっす!!!(おはようございます)」
と何度も何度も叫びます。
「おうぁよぉぅぐぉざいまっ…す」
「おうぁよぉぅぐぉざいまっ…す」
「おうぁよぉぅぐぉざいまっ…す、おぇ」
…!!!ワタシ達見学者は爆笑の渦!尼蔵って!
こんなにオテンバなおじさんだったの!
田口も必死に喰らい尽きます。
田口「おっはああ〜んよんございます!…ですか?」
尼蔵「違う!おうぁよぉぅぐぉざいまっ…す!」
「おっはああ〜んよんございます!」
「おうぁよぉぅぐぉざいまっ…す!」
バカみたいな挨拶がスタジオ内をこだまします。
笑った笑った。
自分のギャグでしか笑わない山南氏が、渋い涙を流して爆笑していました。

「座長の持ちネタは下ネタだけでは無い」

2004/11/26(金) 2005年公演計画/山南
 座長・方尾・西岡・冬馬・悠夢と私とで来年の公演予定のたたき台を検討した。
 明日の稽古で劇団員全体会議をおこなう予定。
 主な議題は(1)近畿大学芸術フェスティバル「唐十郎〜日本のシェイクスピア」参加に向けての出演者・スタッフ案・舞台プラン・制作予算案などであった。
 (2)夏公演「星砂が来る海」
 (3)冬公演「ねじ式」
 その他として来年4月の西原村イベント・映画出演の件など。

 ファミレスでの会議であったため私はチキンの山賊焼きを方尾さんと頼んだが、私だけが調子に乗ってビールを飲んでしまった。ななな、なんと方尾さんはシラフである。みんなシラフである。私も飲んでもシラフである?でも、会議中に飲んだらアカン!
 みなさん、どうもごめんなさい。 

2004/11/25(木) ペ氏来日/咲希
今日、久しぶりに我がキャンパスへと赴きました。
先日の公演に来てくれた友人にお礼の言葉を掛けました。
「次回も何卒宜しくお願いします。
次の熊本公演は来年の12月になるでしょう。」と伝えると、
「なんて先の話をしているの。遠すぎるわ。」と言われました。
憎まれ口を叩きながらも毎回来てくれるので、本当に嬉しいです。
大分出身の体育会系女子に、湯布院公演の話がきている事を伝えると
「まじでか。大分の事なら任してな。」と言わんばかりに笑みを浮かべていました。
ワタシは自慢したつもりなのに、
何故だかジモティーの心意気を見せ付けられた気がしてたまりませんでした。

帰って報道ステーションを見ていると、
「19歳男子が両親を鉄アレイで殴り殺しました。」
とニュースキャスターが真剣な面持ちで記事を読み上げていました。
「おとなしい子で真面目で普通の子だったのに。」
又同じ文句が飛び交います。
今となってはそれ程ショッキングでは無い言葉ばかりです。
それでもやっぱり人殺しというのはショッキングです。
6月に起こった長崎の事件でも「蛇の絵を書いていた」とか
後からとってつけたように言われますね。
「こんな人が人殺しをした」と言う報道は必要無いとは言えませんが、
他にも探るべきものは沢山ある筈です。
て言うか!普通て何さ!何が普通なのさ!具体的に述べてみ!
すいません、少し取り乱してしまいました。
ワタシはいつも平和な世界で暮らしていたいと思っているので
人殺しが一刻も早くなくなるように念じたり頑張ったりしています。
ブッシュに小泉さん、君達も早く人の命の尊さに気付いて下さいよ。

2004/11/24(水) ゴリゴリ/咲希
今日の朝、事務所に一本の電話が。
山南氏が出たが、なにやら出前芝居の事らしい。
湯布院で「星砂の来る海」の公演を依頼されたらしい。
湯布院…湯布院!!わーい!温泉だ!嬉しい!温泉に入れるぞ!
温泉に入れて嬉しいのは当たり前です。
それよりも「星砂」がもっと沢山の人に観てもらえるのも又嬉しいです。
未だよく訊いていないので詳しい事は判りませんが、
益々良い芝居を観せれるよう、頑張りたいです。

公演案内にはUPされてますが、来年ねじ式を公演します。
はぁ〜ドキドキ。ツベは誰が演るんだ?国子は?チヨジは?
とても興奮してます。未だ先の話なのに。
DVD買おうかな〜。

写真は丸尾末広氏「少女椿」の表紙絵です。
本当はつげ義春氏の漫画を入れたかったのですが、
あいにくワタシの家には在庫が無くて…
漫画も仕入れようかな〜。

2004/11/23(火) うわ/咲希
「愛の乞食」皆様に支えられ、無事終わりました。
あ、未だ終わりません。来年近畿大学の「唐フェス」に出演させて頂くので、
終わった訳ではありません。とりあえず、一区切りつきました。
ご来場して頂いたお客様、本当にありがとうございました。
舞台美術を提供してくださった山本のおじちゃんも、
楽器を提供してくださった香西女史の母上も、本当に大助かりでした。
ありがとうありがとうと、心の中で何度叫んだ事でしょうか。

交流会でお客さんの感想や意見が聞けてとても嬉しゅうございました!
2日目の交流会では、みんな羽目を外して公演の成功を祝いました。
舞台で使ったキムチと落花生をつまみに、アダルト諸君は大いに盛り上がっていました。
次は唐フェスに向けて、どんどん芝居を盛り上げて行きましょう!

2004/11/22(月) 次へ!/山南
 まだまだ見せ足りない。
 これで完成とは思いたくない。・・・今回の公演がダメだったのではなく、むしろ役者の成長が見えたからこそ欲が深くなってきた。

 リアル!の殻が破けていけない糞(くそ)リアリズムや内向的な精神演劇(私小説のような!)、テレビサイズのお笑い芸(横並び)、前衛や芸術を気取らなければ演劇をやっていけない青くひ弱な演劇。そう思えてならない日本の演劇事情である。・・・こんな中、私は「アングラ」を恥知らずな顔をして強調するのには、わたしなりの意図がある。
 古いだけでは終わらないのである。
 この高すぎる演劇の山は言わば「永久革命」だからこそ、「アングラ」という差別用語をもって自分の尻にムチ打って走って来た。 
 
 演劇の活動歴25年経って理解者は少数である。
 一番大きな理解者は25年間を共にしてきた座長=夢現であろうが、現在を共有する劇団員たちと影になり日向になって応援してくれている方々たちである。
 少数派ではあるが大きな存在である。
 これより少数派を脱皮しようと考える。
 間違って見えたら忠告を期待します。
 それは「アングラ」の商品化に面舵一杯しようと行動することだ。
 資本主義に擦り寄ってみようか。
 いえいえ、資本主義から擦り寄られてみよう。危ない接近戦でなければ「アングラ」の大衆化は浸透しないのでは・・・と思うようになって来た。異論を期待する。
 「アングラ」がかつての「歌舞伎」のように歴史を繰り返すことになるような予感がするからである。それが良いのか悪いのか、私にはわからないがひたすら走り続けてみよう。
 この劇団のもっと若い世代は「古さ」と「日本の伝統芸能」やアジアの文化と接していくことで踏み台にしてやれ。
 
 公演が終わったばかりでテンションは上がりっぱなしである。
 そろそろ野菜も安くなってきたことだしビタミンを補給しながら血圧を下げなければ!血圧が下がってもテンションが上がっていたら、その時は本気であることが証明されるであろう。

 「愛の乞食」の復刻・改定版へ続く!
 次は来年の春、大阪の近畿大学「唐十郎フェスティバル」と西原村「風の里キャンプ場」での企画イベントに参加する。 

2004/11/21(日) 公演二日目/山南
 本日は千秋楽でした。
 気が付いたらおにぎり一個しか食べずに本番に突入していた。
 
 遠くは大阪や宮崎からのご来場もあり、この劇団にとっては珍しく他劇団の方のご来場もあった。
 終わった今だから明かせるネタは、今回の劇は鏡を使っての舞台の奥行きを試みた。
 当初は舞台と客席を区切らないつもりであったが、あまりにも冒険的すぎる。私がお客さんだったら嫌な気持ちになるだろう!そう思って没にした。冒険的すぎるという考えは、私はいつの日からか保守的になってしまったのかも知れない。いいえ、商売人になってきているのだ。
 文化人、演劇青年、前衛、芸術家の廃業よ!
 アングラの商品化を高々と唱えてやろう。

 劇団員の少年少女たちへアングラ劇の面白さを!
 まずは彼等の成長が見えたのではないだろうか。もう少年少女ではない。アングラ劇で大人になってしまった。
 終演後の交流会で中学生の・・高校生の・・と自己紹介するとお客さんは驚いていた。いくらか劇では学校の顔を出さなくなっているのだろう。入場料をとって見せる役者になってきたのではないだろうか。 

2004/11/20(土) 公演一日目/山南
 「一度やったら辞められないのが役者と乞食」という諺があるが、今回の「愛の乞食」公演は「辞められない!」の一言に尽きる。
 
 公演一日目は客足も早くからのご来場で、狭いスタジオ内は人間の体温で温度が上がった。
 すっかり秋も深まり風の冷たさを感じる日に、スタジオの暖房スイッチを切っていたのだ。それはスタジオ内をテントの雰囲気にしようと壁をシートで包み込んでしまった故でコインを入れる暖房スイッチを使えなくしてしまったからである。
 実は寒くてガタガタ震えさせてはならぬ、とそれを上演前に心配していた。が、満タン公演で寒さしのぎはクリアーできた。
 
 劇の内容は面舵一杯!でお客様をマボロシの満州へ運んで行ったのではないだろうか。
 本番になって気付いたことがある。ここは舟、それも海賊船の船底ではないだろうか。
 唐十郎の新解釈を試みたつもりだが、明らかな事は「想像力」によってどこまでも遠くへ行けることだ。まさに唐十郎は演劇の冒険王である。
 終演後のお客様との交流会でも評価が上々であった。
 私としてはまだまだ!
 明日も遠くを目指そう。
 遠くから足を運んでくれたお客様や常連様に感謝いたします。
 アングラ劇の元祖へ只今、面舵一杯!

2004/11/19(金) ドタバタ!/山南
 朝から舞台仕込みの予定が本格的にスタートしたのが午後3時半だった。・・・それまで、このスタジオは「フラダンス」と「川柳」の教室に使われてしまった。
 スタジオのオーナーである吉野先生を責める訳にもいかず、「フラダンス」と「川柳」を週に一度の楽しみにしている生徒さんたちをうらむこともできず、悶々と小道具の制作に取り掛かっていた棟梁と村上君と座長にも申し訳ない気持ちで一杯です。
 今後、このようなことが起きないように直接交渉を基本にします。
 
 舞台の仕込みが3分の2といったところで通し稽古となった。
 夜の7時半。
 実は照明・音響の仕込みは完了されなかった。
 予定ではリハーサルであったのだが・・・!
 終了が9時半。
 それから照明の仕込みへと異常事態である。
 スタジオを出たのが夜の11時になっていた。

あしたは今日のドタバタを取り戻そう。とにかく晴れ舞台である。
 失敗は成功の元!
 海千山千の夢桟敷は明日は輝く日なのだ。
 いよいよ「愛の乞食」公演です。 

2004/11/17(水) 本番まであと3日!/咲希
今日の稽古には塚本美早紀さんと西岡さんがいらしてくれました。
西岡さんはこれから夢桟敷に協力してくださるようで、とても心強いです。
お二方、本当にどうもありがとうございます。

昨日今日と稽古を欠席しているので、泣きたい気持ちを隠しきれません。
白髪も増える訳です。嘘です。
しかしながら身も心も赤色に染まっていっているので、
山南氏が言うように深い味わいが出て来る筈です。

今から客待ちの音楽を編集します。日曜まで睡眠不足は覚悟モンですね。
ピチピチっとしたお肌では舞台に立てませんが、
チェザーレ(カリガリ博士)顔負けのクマを作って現れます。
そっちの方が艶っぽい。少なくともワタシにとっては。

写真は噂の塚本美早紀ちゃんです。
こちらはあやや顔負けのアイドル路線です。
「モデルに興味ありませんか?」の誘いには十分御注意願います。

2004/11/16(火) 代役<笑>/山南
 桃色咲希がバイトを休めず稽古を休んだ。そこで冬馬が代役をかって出てみたものの、まるで別の芝居になってしまった。
 一生懸命やっているものだから切るに切れず、息を殺して見つめていたがとうとう我慢できずに、全員の爆笑である。
 「はい、そこまで!」
 やはり万寿シャゲは咲希でなければならない。
 冬馬がやるとふにゃふにゃになってしまう。一体、誰の影響を受けているのだろうか。まるで自分を見ているようで冷や汗タラリと流れる。
 しばらく香西が代役を勤めていた。冬馬よりはマシである。
 何が可笑しかったのだろうかと考えて見ると、まず目つきが異常なのである。逝っているのである。ピーピーと絶頂に達している感じである。目をむき出したまま口が半開き状態になっているのだ。
 冬馬が田口という役で良かった。
 今回も適材適所の役にはまってきた。
 アト本番まで秒読みである。
 それぞれが赤色に染まって良い感じになってきた。唐劇は心から赤色を染めていくと深い味わいになっていくのだ。

2004/11/14(日) チンドン屋の日/山南
 今日は入団希望の女性(18才)が稽古見学に来た。
 劇団員も年が近い故かワクワクしながら稽古に取り組む。
 彼女は経験者である。それが劇団員にとって刺激的であったようだ。お互いに刺激を与え合って劇を作っていけたら最高だ。
 
 夕方4時より1時間ほど吉野スタジオ周辺をチンドン屋をして回った。村上精一は地元なので随分知人に会ってしまったようだが、悠夢は小学校の時の担任に会ってしまった。私も武蔵中学の演劇部でコーチをしていた時の元生徒さんに会った。
 田中ファミリーも駆けつけてくれ「こんなデモもいいですねぇ」と笑っていた。予想通り、小さな子どもたちがアトを追っかけて来た。
 昔は「サーカスの人たちにさらわれるよ!」と大人が子どもを脅していたが、あの無邪気な顔を見ていると誘拐どころか親とも会って酒を飲みたくなる。
 また、やりましょう!チンドン屋は面白い!

2004/11/13(土) 女装をしてみた/山南
 うちの劇団の男たちは必ず女装をさせられる。させられるとは自分の意思ではないように聞こえるが、男が女を演じ女が男を演じることが多々ある。そして夢桟敷の伝統とも言える。
 中性化あるいは人間としての<両性類>が願望としてあるからである。男が女装をして楽しいと思う気持ちは果たして変態か?否である。 変身!というやつである。断固としてそれが楽しい、嬉しい。恥ずかしい。その願望や気持ちをラジカルに開いていけるのが劇である。劇は心を開放する力がある。
 心を閉ざしていては舞台に立てない。役者はその訓練をおこなう。

 今日はオカマさんの役ということで女装をしてみた。ちょっと短めのスカートをはいてみたので下半身の風通しが良くなり、歩き方が変わった。座り方が変わった。何よりも仕草が変わった。後は心の問題である。・・・役者としてはこの変わり方は重要であろうが、演出家としてはどうも下半身に力が入らない!ヤバイのである。下半身に力が入らないと空気がダラダラと流れて行きそうだからだ。
 従って、演出中は女装を辞めた。

 ところで今回の劇は桃色咲希を除いて女優はみんな男役である。そして明日の日曜日は稽古終了後(夕方)にチンドン屋をすることになっている。吉野スタジオ(稽古場兼公演会場)の近所で決行する。
 公演までアト7日!
 これからが正念場だよ。

2004/11/12(金) 知恵比べ/夢現
「愛の乞食」・・・想像力が無尽蔵に膨らみます。

空を飛ぶ大八車、
荒れ狂う北海を進み行く海賊船、
青で染められた造花の海で死んでいる女、
西日の射す公衆便所の扉の向こう側に続く黒い海・・・

このスケール感をどうやって表現しよう。
状況劇場はテントを開くことにより、観客を外の広大な世界へ一気に連れ去ってくれたものだ。
でも私たちには、テントは無い。
この小さなスタジオでどんな仕掛けができるだろう。
唐十郎と知恵比べをしているような錯覚に陥ってくる。

多分、本番ギリギリまで策を練ることになるのでしょうね。
それが苦しみでもあり、快感でもあるのです。
だから、芝居はやめられない、のです。

2004/11/11(木) 公演間近!/山南
 公演までアト9日!

 朝8時より本松造園の2tトラックを借りて、荒尾市在住の造形作家・山本てつお氏のところへ行く。
 同行者は棟梁(方尾さん)である。
 荒尾に着くと山本徹夫氏のアトリエから作品を受け取り、そのまま昼食をとりにレストランへ直行する。ここでは「むかし話」に花が咲く。
 振り向くと「伝説になる」ことばかりである。ドキュメンタリー小説が山ほど書けるではないか。
 昼過ぎには作品を吉野スタジオに搬入する。玄関入り口に「安全太郎」を置いていると、吉野先生を訪ねて来られたお客さんがびっくりしていた。「安全太郎」を目につかないところへ移動する。
 「安全太郎」とは一体何者か?公演当日、玄関に設置するのでその正体が明かされます。お楽しみに!

 午後6時より打越公民館で稽古に突入。一時間あまり坂本冬馬ワンマンショー!彼の作曲した劇中歌の正式な録音をしたのである。
 これまでは稽古のための仮録音でおこなっていた。
 今度の公演をもって坂本冬馬の劇音楽デビューである。彼が劇団から去らない限り、劇団夢桟敷の音作りは彼の独壇場になるだろう。
 録音の後は香西佳耶の<殺人場面>の抜き稽古を中心におこなう。
 登場人物すべてが舞台に上がっているところである。
 活字の台本では読み取れない不可視なものがどんどん湧いてくるところである。ここは慎重に作らないと劇に緊張感が失せてしまう。
 おや、これは歌舞伎世界ではないか!
 「河原乞食」が見えてきたのである。ここにこんな世界が潜んでいたとは・・・。やはり、舞台には魔物が棲みついている。魔物にとりつかれることがこんなにもすばらしいことだったとは・・・!
 この場面では香西佳耶の表情にご注目を!見ればわかる。彼女はいつか役者としてはちきれるだろうと予感していたがそれが今、来たのである。
 とにかく夢桟敷はひとりひとりの成長変化が早い。
 香西佳耶。只今、高校1年生。もう、大人である!

2004/11/10(水) 公演までアト10日!/山南
 小道具などのチェックをしていた。
 そこへ棟梁(方尾さん)が訪ねて来た。ビールを2本と焼酎を持って・・・。朝も夜もない!早目に飲んで、昼過ぎには酔いを覚まそう。
 最近はセーブが効くのである。
 若い頃はチョットのつもりがトコトンイッテいたが、ふたりともテキトーになってしまった。

 公演までアト10日である。座長と方尾さんがチケットを売りまくっている。
 私もお世話になっている人たちへ売りさばなければ!まだまだ私も売れますよ。
 終演後の交流会が楽しみだ。一杯が嬉しい。それのために劇をやっているようなもんだ。
 アト10日。美味しい酒が飲めそうだ。

2004/11/09(火) 美術作家のテッちゃん!/山南
 準備は大詰めです。
 いつものことながら、本番が近付くとココの事務所兼自宅は小物が散乱してきます。メモも増えてきます。必要なものとゴミを間違えないようにしなければ・・・。
 
 今回の美術は荒尾市在住の山本てつお氏(通称テッちゃん/国際的造形作家であります!)の協力が得られました。
 第二期の夢桟敷からの戦友であります。
 韓国や台湾、スペインでの作品展では度肝を抜くような作品で高い評価を得られています。
 1960年代の九州派美術の運動に強く影響を受けた彼は、精神的にも唐十郎の劇にビシッとはまってしまうでしょう。
 11日(木)に作品を受け取りに行きますが、問題は保管場所です。
 吉野スタジオに置いておくしかないでしょうが、オーナーの吉野先生はびっくりするだろうなー。 

2004/11/07(日) 長い時間の集中!/山南
 朝10時からの稽古が二日続いた。
 今日は後半の部分稽古である。
 えーい!一本足のジョン・シルバーは何処に隠れているんだ。まだまだ汗のかきかたが足りないのだろうか?
 おや?そこに潜んでいるのは誰だ?黒いヘルメットをかぶっているアノ人は・・・劇団の世話人・企画プロデューサー・「ふりーだむ」の先生・パン屋のおじさん・・・そして、今回、オカマさんで登場する副島先生ではありませんか!もしかして、・・・彼こそが?
 稽古が終わった頃、フーリッシュボーンズの「こてつ」さんたちが訪ねて来てくれた。
 今度、来た時は近くの居酒屋に行きましょう。
 この度は副島先生と悠夢の3人で武蔵丘ニコニコドーの「楽天坊」に行きました。

2004/11/06(土) 昼ごはんも食べずに/山南
 今日と明日は朝10:00〜17:00までの稽古になっている。
 
 今日の午前中は棟梁・村上・冬馬による道具作り、他は仕入れなどで時間が潰れた。
 折角の棟梁の参加があった、ということで急遽、オカマさん登場の場面の抜き稽古に突入した。
 ほとんど思いつきである。
 村上君の人力箱車が思うように動かない。動かない事を前提に劇に取り入れて行く。
 「助けてくれぇ〜!ボランティアの方ァ〜!」とチェチェチェ・オケラ扮する村上精一が叫ぶ。ここでオカマのキンちゃん登場となるのである。
 「なんていい加減な登場の仕方なんだぁ〜!」
 唐十郎の劇にはこの「いい加減さ」と「デタラメさ」が、実は骨太くダイナミックに劇を動かすことがしばしばある。唐突さや偶然は神経質な演劇人には嫌われがちだが、本来、劇の面白さはここにあると思っている。この劇はこんな感じが随所にあるのである。

 さて、夕方頃になって気付いたのであるが、今日は昼ごはんを食べるのも忘れて稽古に没頭した。三度のめしより演劇、とは今日のようなことであろうか?副島先生が差し入れてくれた大量のお菓子類がカラッポになっていた。誰が食べたんだ?知らない内に誰が食べてしまったんだ?七不思議である。

2004/11/05(金) 装飾品を求めて/咲希
少女万寿シャゲは公衆便所のキャバレエに勤めています。
これがワタシの役。
万寿シャゲには、朝鮮キャバレエ“豆満江”のヲンナにふさわしい格好をさせてあげたい。
そこで今日も都会へと走りました。装飾品を求めて。
買い物しようと街まで出掛けたが、財布を忘れて愉快な咲希さん。
そう、財布を忘れました。連れに借金をしました。
フィリピンペソにして総額P2,124.18

今は何でも安く手に入ります。
最近(?)315円でアクセサリーが購入出来る店が出来たので、
初めて足を踏み入れてみました。
万寿シャゲの為に作られたような指輪がずらり。
購入しようと思ったけど、これ以上借金を増やすと首が回らなくなるのでやめました。
それでなくとも「貸したお金は倍返し」と言われ、自己破産しそうです。
又、日を改めて物色しようと思います。
ついでに話題の映画“2046”を観ました。
木村拓哉の存在感が非常に薄い。
でももう一度観たいです。

写真は演出中の山南氏。腕組みして演出はしません。
じっとしていられないのかもしれません。
なんせ自称“海賊の曾孫”ですから。
山南氏からの一言「夕日を背にして、絶好調。」

2004/11/04(木) 万寿シャゲを求めて/咲希
今日は万寿シャゲとその他の小道具を求めて都会へ繰り出しました。
万寿シャゲ…何処を探しても見当たりません。100円均一のお店にもお花屋さんにも。
当たり前です。もう季節じゃないもの。
もう自分達で作ろう!!とりあえず、赤と緑のテープを買って
稽古場に持って行きました。
「誰か手先が器用な人?」と自主参加を求めてみました。
即座に手を上げたのが村上君。
(ワタシも村上君が自ら名乗り出るだろうと思っていたのですが。)
本当に村上君は器用に花びらを一枚一枚作製してくれました。
それに比べてワタシは。冬馬が「不器用だね。」と言うと
香西さんはすかさず「雑って言うんじゃないの?」と合いの手を。
はいはいはいはい、判っておりますとも、充分に。
しかし万寿シャゲの花と云うのはなんと花びら(?)が多いのでしょうか。
いつ完成することやら…しばらく裸電球の下での内職が続きそうです。

今回の作品には、何かと“言葉遊び”やら、俗に云う“下ネタ”が度々出てきます。
そんな舞台の魔物に取り憑かれたのでしょうか、座長が可愛いミスを犯しました。
それはチェチェチェオケラ(村上君)とミドリのおばさん(座長)の
シーンで起こった事件です。
座長が「おいお前、足はどうした。」と言う所を
「おいお前、真ん中の足はどうした。」と言ってしまったのです。
真ん中の足て…真ん中て、アナタ…!!もう大笑いです!
村上君も「真ン中ノ足ハ、ビンビンヨ!」とノリノリでした。
イイネ、グッジョブ。このノリを大切に。悪ノリしない程度に頑張りましょう!

写真は松田彩佳さんの携帯ストラップ。
懐かしいヤッターマン1号とドロンジョ様です。
彼女はヤッターマンを知らないそうですが…残念!!

2004/11/03(水) 稽古見学の少女たち/山南
 今日は中学1年生の少女2名が稽古の見学に来た。
 丁度、ビッコ(足をひきづる)稽古の真っ最中である。
 
 「こんなことばかりやっているのではないのだよ!」

 少女たちはニコリともせず真剣に見ていた。
 どこまでが本気で冗談なのか?汗をかいている私たちにはわからない。
 それが演劇の稽古なのである。
 最後まで見ていた少女は何を感じたであろうか?
 
 ふと我に返って、どうでもいいことや意味不明なことばかり何故こんなに一生懸命やっているのか?面白くてたまらなくなってきたのである。・・・唐十郎さんはすごい演劇を作ってきた人なんだ!
 稽古をしながら改めて感じる。
 
 稽古見学の少女たちはこの空気を吸って帰り際にニコリと笑って去って行った。その笑顔が忘れられない。 

2004/11/02(火) 地域密着宣伝へ/山南
 次回公演「愛の乞食」は吉野スタジオでおこなわれる。
 このスタジオは熊本市武蔵ヶ丘と菊池郡菊陽町の境界線にあり、周辺は大手スーパーや学校・塾などがあり、いわば文教住宅街といったところだ。
 これまでもアトリエ公演と銘打ち、このスタジオで「トロイメライ」「劇的なるものをめぐって2003」「1945標流記」を上演してきたが、さて、近所の方々がどれほど足を運んでくれたかというと、ほとんどゼロに近い。
 稽古場として(土)(日)はこのスタジオを利用させて頂いている。2年前は近所の武蔵中学校で公演をおこなっている。随分、地域にはお世話になっているのである。
 今回の上演にあたり、ご挨拶方々、ご近所を回ろうと計画した。
 いよいよ公演間近です。
 「愛の乞食」は演劇通のための劇ばかりでなく、「意味わかんない!」といわれようが、日頃、演劇に接したことがない地域の方々にも見せなくては、私たちの意味が見えて来ないのではないだろうか?
 けっして劇団は自己満足の活動ではないのです。

 アングラとか「一風変わった劇」とかで紹介されているが、実際に劇に接してもらわなければ、<良さ>はわからないだろう。

2004/11/01(月) 昨日33333!/山南純平
 昨日の夜はヒヤヒヤしていた。
 何故ならば、このホームページが33333回目の訪問者を迎える時間がやってくるからである。
 ぞろ目を記念してプレゼントを用意していたが、私が当たったら元もこうもない。従って、私はこのホームページを開かないことにしていた。
 ややインターネット依存症になっている私としては、淋しい夜を過ごすことになってしまったが・・・今日の朝、起きてみると訪問者さまからの連絡があった。
 パンパカパ〜ン!!!アメンボ―様の大当たり〜ィ!
 
 プレゼントは・・・・・・・・・・・・・・・・・
@「愛の乞食」御招待券(1枚)
 A「星砂がくる海」上演ビデオ(2004.9月公演)
 B松尾温泉らくらく村・入浴券

 どうぞお受け取り下さい。
 あ〜、本当に私が踏まなくて良かった。

 ところで今日は棟梁(方尾さん)、冬馬と私で肥後大津駅前の古着リサイクルショップへ「オカマ」の衣装を物色した。良いドレスはあるのだが寸法が合わない。これは残念!
 LLサイズでないと男は着れないのです。棟梁の肩幅や胸囲は見かけより大きいことに驚いた。
 大きいドレスや〜い!出ておいで〜ぇ!

 今月の初めに私の顔を露出しておきます。この顔がエロサイトに登場していたら訴えるからね。肖像権、罰金2000万円。
 劇団の女優人、肖像権、罰金1億円。 


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