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2004/02/10(火)
泪も枯れる狂気に向かって・・・夢現
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街の交差点で一人のおじさんの独り言を聞いた。 …「死ぬに決まっている」…。 私はすれ違いざまに「そうだよね!」と一人呟いた。 その時、私は「1945漂流記」のことを想っていた。 あどけない少年兵も、保身に走る日本兵も、逃げ惑う住民たちも、みんなみんな そう、「死ぬことを予定されていた」1945年。
私は、あの時死んでいたかもしれない「おばあ」を再び演じる。 そして再び、あの時死ぬはずではなかった「カナ」をこの手に抱かなければならない。 台本の行間に溢れている「おばあ」のすさまじい狂気をどう表現するか。 交差点ですれ違ったおじさんの狂気を、私は役者として乗り越えることができるのかどうか・・・。
日常の自分の曖昧さと対峙して行く日々が、また始まります。
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