稽古場日記
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2004/02/23(月) 口が滑る!・・・/山南純平
そうですか、わたしは「幽霊」を語っていましたか!?
稽古中は自分の思考回路ではない、つまり、唐突に「見えない意思」がわたしの中に飛び込んで来ます。
台本上では、ある「精神病棟」から1945年の「沖縄地上戦」の地獄へ転換していく物語になっている筈。

ところが、人の記憶というのは恐ろしいものです。
人の記憶は一本の糸では語り尽くせない、アレもコレも糸が絡み合い、その糸をほぐしている内に、別の1945年にたどり着いてしまったのかも知れない、ということです。
あの時のカナも、少年兵も死んでいなかったのです。
わたしの目には、それが見えているのです。
幽霊は生きています!幽霊はパワーがあります。

とうとう気が狂ったか?
死んでから現れるのが幽霊でしょうに・・!
生き抜く幽霊は元気です。

わたしはこの劇に取り掛かってから毎夜、幽霊を見るようになりました。
ちっとも恐くありません。
恐いのは「ひとりごと」を言うなと、わたしをキモイキモイ!と遠ざかる日常世界です。

歌おう!踊ろう!泣いて笑って、・・・幽霊は味方だ!
さあ、発泡酒でもどうぞ、どうぞ。
遠慮無く、さぁ、もっと近づいて!
応援、どうもありがとうございます。

と、心の中で閉じ込めていた秘密が、遂に稽古の時に出てしまいました。
これを、口が滑ったというのでしょう。
ああ!まだ、滑りたい!
まだまだ、口が滑り足りない!

今度の劇は「想像を上回る予感!」・・・。
これほど、刺激的な稽古場の空気を感じたことが、今まであっただろうか!?
役者が一回り大きくなってきたことだけは確かな現実。


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