稽古場日記
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2004/03/26(金) あの日の”狂気”の桜/夢現
本番まで8秒前。

「1945漂流記」...この芝居に取り組み始めて足掛け4年が過ぎようとしている。
いや、正確に言えば1991年の「幻の水・(IMAGE=WAR)」以来だ。
あの時の芝居は、赤ん坊を自分の手で殺さざるを得なかった母親の狂気と、
破滅への恐怖にとりつかれた兵士の狂気に焦点を合わせたものだった。
阿蘇・西原村の民家の一室で、たった一回きりの公演だった。
あれから13年経った今、あの日の”狂気”を私は乗り越える事ができるのだろうか。

これは反戦演劇ではない。
そんな薄っぺらな”くくり”で語られるべき芝居ではない。
人の心に潜んでいる暗い影・・・それが突如として現れ、破滅へと人を導いて行く。
その「心が破けていく様」を、私は覗いてみたいと思う。
その様をこの身体で表現してみたいと思う。

「1945漂流記」・・・役者にとってひときわ大きいハードルだ。
稽古が終わるたびに、「違うでしょ」と囁きかけるもう1人の自分がいる。

自分で自分にダメ出しをしている以上、
本番までのあと8秒をのらりくらりと過ごしている訳にもいかず、
明日の稽古のために、今から頭の中をイメージで一杯にするつもりです。


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