稽古場日記
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2004年6月
前の月 次の月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
最新の絵日記ダイジェスト
2007/04/01 劇団夢桟敷 稽古日記(1)
2005/12/31 瀧本誠を見ますよ。/咲希
2005/12/30 御挨拶/咲希
2005/12/29 2005年が終わります、もうすぐ/咲希
2005/12/28 大掃除/咲希

直接移動: 20074 月  200512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 月 

2004/06/03(木) 日常の狂気・狂気の日常/山南純平
私が高校生の頃、本屋で「正常の中の異常・異常の中の正常」というのを読んだことがある。
立ち読みであったため、今となっては作者の名前は覚えていないが、かなり売れていた本には間違いない。
一部の仲間では必読書でもあった。
「学園をわれらに」とか、同じ作者だったかも知れない。
タイトルに惹かれて何気なく読んだ本だ。
1960年代後半。

あれから35年くらいは過ぎたのだろうか。
稽古が終わって、「国民年金改革法案」強行採決のニュースを見た。
次は「有事立法法案」へ・・・。
政治の世界は「狂気」沙汰で突き進んでいる。
そういう私を「狂気」と思う方が「正気」の時代でもあるのかも知れない。
文法的混乱か、・・・。立場が変わると「狂気」すら逆転するのか。

ともあれ、娑婆の憂鬱をぼんやりと感じつつ、本日の稽古は唐十郎の「透明人間」「ジャガーの眼」「桃太郎の母」などの一部分の台詞を抜いて発声してみた。
もっとテンポ良く!気持ちが細すぎる!頭を揺らさずに喋る!目が泳いでいる!

日常からすれば「異常」な会話である。
どうでもいいことではないか。・・・。そんな空気は稽古場では通用しない。
稽古場の日常は「狂気」に満ち溢れている。
心の闇を叫ぶ!安全な場所とは?・・・ここも一つの場所である。

この世にぼんやりとした危機感を持ったまま「日常の狂気・狂気の日常」に立ち向かうのは演劇の役割かも知れない。
唐十郎の劇へ接近しながら、「思想や哲学」の社会科学の世界よりも、もっと奥行きのある<夢の正常>へ歩いて行こう。


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.