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2004/08/11(水)
徹夜が続く/山南純平
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一つの幻想に執りつかれてしまった。 「愛の乞食」という幻想である。 2004年の現在、この劇をおこなう意味は恐ろしい程、重大な局面を迎えていると考えてしまった。 あまり考えすぎると眠れない夜を繰り返さなければならなくなるから、劇の構想を「絵」で気楽に流してみている。 やはり、唐十郎さんは天才である。 公衆便所の片隅で、おかまが走り抜ける路地裏で彼は眩すぎる<未来>と遭遇していたのである。 この暑さでビールがグイグイ身体にしみ込み、乾燥してしまう。まるで、わたしの体はスポンジではないか。 唐さんの幻想が体にしみ込んでは乾き、これを夜中に繰り返している。・・・人生の半分はまぎれもなく夜である。少年たちもこの夜の中で眩い<未来>を夢見ているのだろうか? 本当に重大な局面を迎えている。 夢の無い夜に、舞台で「夢」を見せるとは・・・劇の価値は無限大に膨張し続ける。唐さんの宇宙に手が届くだろうか?
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