稽古場日記
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最新の絵日記ダイジェスト
2007/04/01 劇団夢桟敷 稽古日記(1)
2005/12/31 瀧本誠を見ますよ。/咲希
2005/12/30 御挨拶/咲希
2005/12/29 2005年が終わります、もうすぐ/咲希
2005/12/28 大掃除/咲希

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2005/01/30(日) 尼蔵、酔っ払う/夢現
稽古の度にイメージが膨らむのが唐十郎の芝居の面白さです。
自分自身でも勿論役作りをします。
でも今回はちょっと特別です。
山南ノートに綴られている山南自身の各登場人物への深い思い入れを感じながら、
尼蔵という人物の奥の深さと対峙しています。
役者は演出家の単なるコマに成り下がってしまわないように、
演出以上のイメージを肉体を以って提出していかなければなりません。
でもこれがなかなか困難です。
”肉体を以って”というところが難しいのです。

今日は、ある場面で尼蔵は遂に酔っ払ってしまいました。
私自身も「いつか尼蔵は酔っ払うぞ」と内心思っていたところだったので、ちょっと気持ちの良い瞬間でした。
でも今日の酔っ払いは全然ダメです。
ホンモノの尼蔵はそんな酔っ払い方は多分しないでしょう。
稽古の度に「尼蔵」は遠くに行ってしまいます。
小手先ではダメなんだなあ。

2005/01/29(土) 時には不良少年のように/咲希
午前中は稽古場で劇作家大会の会議。
また床にニスを塗りなおしていて稽古場に入った瞬間、鼻がつんのめりそうになりました。
山南氏はシンナーのせいで脳みそが溶け始めていただろう。
村上君が一番ダウンしていました。可哀想です。
高校時代にシンナーの害について勉強させられたので、
それはそれは恐ろしかったです。
今思えば、その過剰な教えはただ人間を臆病にさせるだけだって気付きました。
写真は噂の床です。蛍光灯が反射がまばゆいです。

2005/01/28(金) 自主映画制作/山南
 伊藤さん(今回「愛の乞食」で出演される)のご紹介で、自主上映グループの「good job」のロケに参加した。なんと、俳優としてである。TKUのドラマ(9月)以来である。
 ロケ地は日本一の階段3333段で有名な中央町のとある豪邸。大豪邸どころではない。超大豪邸であった。
 役どころは、そこの主人(父)である。
 日頃は貧乏神のような私であるが、スタッフの皆さん!もうどうにかして頂戴、という気持ちで頑張りました。
 上映会もされるようですが、どうも大手プロダクションへのプロモーションの意図があるようです。
 共演してくれた脚本家兼俳優さんのKさん、福岡の女優(私の娘役)さん、私の妻役のお母さん!そしてカメラさんに監督さん!メイクさん!今後とも宜しくお願いします。
 
 テレビの製作さんへ。どうぞ、ドラマ作りやちょっとしたコーナーに夢桟敷の劇団員をご利用ください。  

2005/01/27(木) 時にはラッキー池田のように/咲希
悠夢が高校に合格しました。おめでとう!
受験勉強から抜け出せたものだから、
今日の悠夢は本能のままに生きていました。
獣臭い感じがビンビン伝わってきました。4月から高校生か。
少年よぉ、野望を抱けよぉ。

振付師・村上精一先生はとてもはちきれてます。
先生の指導の下、頑張ってます。
座長が肉離れしそうです。
元々の原因は力の配分を考えないで歩いていたせいらしいのです。
このまま頑張ると座長はギブスを付けて芝居に出演しなくてはなりません。
ご自分の年齢も考慮して、先生の指導を受けましょう。
老いて益々盛ん。
中性的な魅惑の村上先生が劇団の華になっています。

写真はカリンバの音を録音中の冬馬先生と香西さんです。
なかなか良い音と雰囲気です。

2005/01/26(水) 頼りになるスタッフ/山南
 昨日より「劇作家大会」の件で奔走している。
 3月18日〜21日の県立劇場で催される「劇作家大会」は、日本劇作家協会と熊本県立劇場の企画事業としておこなわれ、熊本地元劇団関係者が実行委員会として各プログラムを担当する。
 いわゆる協会と公共ホールの共同作業に劇団が協力するという図式である。
 夢桟敷は会場の運営管理とシンポジウム(2テーマ)、それに「熊本よかもん市」を担当している。
 この「よかもん市」は大変である。
 熊本をアピールする良い機会ではあるが、アイディアを実現するためには問題点が多すぎる。時間にも限りはある。
 昨日より3名で打ち合わせや計画で動き回ったが半端ではない。
 スタッフの副島先生や山田島さんは自分の仕事を裂いてまで熱心に付き合ってくれている。
 今日の県劇での確認事項や現場での調整でやっと形が見えてきたといった具合で、私はふたりに頭が下がる思いである。
 民間人の底力はスゴイ。頼りになるスタッフに感謝!

 大阪公演も近づいている。
 今は酒を飲む時間すらなくなってしまった。落ち着いたら頑張ったスタッフや関係者とゆっくりお酒を飲みたいものだ。
 ・・・今、思い出したのだが、昨日までに熊本の劇団の新年会に出欠の返事を出す締め切りだった。完全に忘れていた。
 今夜は伊藤さん、椎葉さんのご来訪で思い出したのである。
 明日、電話で返事をしよう。

2005/01/25(火) 悠夢の受験当日
やっぱり、こんな顔をして受験に行きました。
朝7時に家を出発。友達ふたりを連れ立って運転手付きで!運転手は泣く子も黙る鬼の山南。
薄暗い空が子飼橋を渡る頃にはRED SUN。赤い朝日が東の空に見えた。
天気予報では雨50%にも拘らず、お天当さまが顔を出してくれるとは縁起が良い。
縁起が良いついでにチョコレートの「KIT KAT」を車内で食べる。座長からの差し入れである。「きっと かっと」・・「きっと勝つ」はシャレである。シャレと言えば昨夜の悠夢は「ポークカツ定食」を食べた。「ポークカツ」で「ぼく勝つ」!
お守りもカバンに忍ばせ、本日は有神論者。神頼みである。
という訳で本日は悠夢の受験日であった。

ところで念願のワンボックスカー(8人乗り)劇団車を購入した。
5年間で3台目である。
本日は雨の中を山南は副島先生と共に企画の件で、この車で走り回る。新しい協力者を紹介して頂いたようだ。

2005/01/24(月) 悠夢の受験前夜
いよいよ明日が高校受験の日である。
勉強のし過ぎで、悠夢の行動がおかしい。
今日は餅にケチャップを塗りつけて食べていた。
「まるでピザのようだ」と勝ち誇ったようにケケケと笑っている。
いきなり、面接の練習をしよう!と言い出すと、彼は前歯に海苔をくっ付けて「これで合格!」(写真参照)と笑い出す始末。
悠夢は受験ノイローゼになってしまったのではないだろうか?
本当に歯に海苔をくっ付けて受験するつもりらしい。
ふざけているのか、緊張感と闘っているのか?
私たちにはわからない「悠夢の奇妙な行動」にハラハラしている。
もしかしたら、この受験を楽しんでいるのかも知れない。
これで合格したら「人生チョロイ」と勘違いしたまま生き抜いてしまうかも知れない。
悩むよりは良いか?!

2005/01/23(日) 歌とオドリ!/山南
 吉野スタジオの床がニスを塗り替えられていた。
 昨日(土曜日)よりシンナーのような匂いが充満しており、頭が島倉千代子状態である。(アタマ、クラクラ、シマクラチヨコ!)

 今日は元・フーリッシュボーンズの椎葉さんが稽古見学に来てくれた。
 基礎トレーニングは一緒に参加してくれました。
 筋がいい。即戦力である。
 
 ザ・ピーナツの「恋のフーガ」の歌とオドリの振り付けは悠夢から村上精一に担当が代わる。スピードアップで最初は戸惑っていたが、何とかなりそうである。新人の年長者、西岡さんも汗を流しながらオドリの練習に加わり、とても面白くなって来た。
 今日、気付いたのだが西岡さんは唐十郎さんにそっくりではないか!
 本日只今、次回公演「愛の乞食」では唐十郎という役が登場することに決定した。
 劇中劇で「なめんなよ!」とばかりに唐十郎さんが夢桟敷に渇を入れに来るという場面を作る。
 「演劇は命がけなんだよ!」・・・そう言われてみたいのだ。
 西岡さんだったらやれそうである。

 前回の公演よりは歌とオドリが増えてきた。
 台本に忠実ではないが、心だけは唐さんの「特権的肉体」に近づいてやろう!ヘタを恐れず、ヘタはヘタなりに感動を生み出す力があるものです。「だって人間だもの」
 
 いよいよエンジンがかかって来た。
 夢桟敷はミュージカル劇団ではない。しかし、歌とオドリでこの劇は展開する。
 坂本冬馬。ピアノの練習をしっかり頼みまっせ。天才も日々の努力を忘れないことが大切です。

 写真は新人にして劇団の大黒柱・西岡卓!(元・てんぷくプロ所属)です。少年王者館(名古屋)で活躍していました。現在は阿蘇郡西原村にて乗馬クラブを経営しています。馬に乗りたい人は夢桟敷までお問合せください。一緒に阿蘇の草原を走りましょう!
 
 

2005/01/22(土) 時には邦衛のように/咲希
熊本大学の演劇部(以下熊演)と合同練習をしましたよ。
伊藤さんもいらっしゃるので、FOOLISH BONESの発声練習の方法と
熊演のそれを見学、体験しましたよ。
メニューは他にもありますが、とりわけ興味深かったのは
“山南氏以外の演出でシーンを作成”した事ですね。
何やらただならぬ昂揚感が溢れてました。のはワタシだけでしょうか。

今日は村上君が手作りシュークリームを差し入れとして持って来てくれましたよ。
「見て下さい。この溢れんばかりのクリーム。
美味しそうですね。では一つ頂きます。」
なんて冗談を言っていると、伊藤さんから助言が。
グルメレポーターの為のマニュアル(?)があるのだそうですよ。
欲しいですね。毎朝妙なテンションで朝食を頂く自信がありますよ。

今日はシンナーのにほひ漂う稽古場でした。
かの有名なフレーズ「頭くらくら島倉千代子」が聞こえはしませんが
そんな雰囲気でした。

2005/01/21(金) 時には卓球少女のように/咲希
寒すぎて股関節に痛みを感じます。足が冷えすぎて吐き気を催します。
ワタシと云う人は何故にこんなにも弱くなってしまったのでしょう。
熊本の冬は、今日も寒いです。

今日は、伊藤さんと共に元FOOLISH BONESの椎葉さんもいらしてました。
思えば、夢桟敷以外の役者さんをお借りするのは第三次夢桟敷が発足してからは初めての経験です。
山南氏は「他劇団から避けられている」と云う酷い被害妄想持ちで、
ワタシ達にとってもお二人の登場は良い経験になりましょう。
被害妄想の話は冗談としても、やはり初体験は大切にしたいものです。

写真は左が椎葉さん、右が伊藤さん。
輝く日の丸の前で堂々の御披露目です。
※注 右翼とは何ら関係ありません。

2005/01/20(木) セクハラマーク美術制作者へ/山南
 本当に大丈夫だろうか?
 未成年の彼女にトイレの背景デザインをお願いしたのが1週間前。
 私がお願いしたから断われなかったのではないだろうか?
 彼女は美術のセンスがある!そう思っているから頼んでしまったのだが、冷静に考えてみるとコレは犯罪的なことではないか?
 
 万寿シャゲが「豆満江(ズマンコ―)」を唄う場面で、前回は小さな旗(オマンコマーク)をみんなで振っていたが、次回の「愛の乞食」ではトイレの壁に拡大される。
 私が描くと只の卑猥に過ぎないが、彼女が描けば芸術になる!
 芸術と犯罪は紙一重。
 私を訴えてもいいのだよ。

 今日の稽古で念を押してみたが、彼女はあっさりと引き受けてくれた。今夜も嬉しくて、思わずカツラを被って自分の顔を眺めてみました。あしたの夜はスカートをはいてみよーっと。

2005/01/19(水) 絵画教室にて/山南
 絵で例えると、「よくできました」というのは味が無い。
 キレイに描けました、では物足らないのだ。
 子どもが描く絵で「スゴイ!」と言うのに遭遇した。
 それはキャンパスからはみ出さんばかりの「怪獣」の絵である。
 私には「怪獣」に見えたのだが、本人に言わせると「お母さん」の顔だそうである。
 鼻息荒く、身体全体でクレヨンで塗りつぶしたり、画用紙の外側まで線が延びていく様は、見ていて気持ちが良い。
 
 今日は清水のコミュニティ―センターで知り合いの「絵画教室」に顔を出した。
 中には絵はそっちのけで暴れ回っている子もいる。その子は宇宙戦士(?)になったつもりで一人遊びをしていた。
 また、子どもに「目はこうでしょ!」と言いながら、お母さんの方が一生懸命描いている姿も見た。

 子どもの頃から色々なのがいるものだ。
 演劇も「うまい・へた」からはずれて、鼻息荒く没頭する幼児のようにいきたいものだ。
 宇宙戦士は誰と戦っていたのか?これは明らかに劇世界である。
 お母さんのおせっかいを黙って見ていた少女の行く末は?
 私は「小さな目」に吸い込まれたのであった。

2005/01/18(火) 迷惑メールと電話が・・・/山南
年末より<出会い><エロ>などのメールが日に数十本くらい入って来る。
 受信拒否や削除の作業に朝から追われてしまうのが空しい。何かの間違いで桃色咲希のメールが<MEIWAKU>に登録されてしまった。
 恐らく私のミスでそうなったのだろうと思うと、益々迷惑メールに腹が立つ。咲希の携帯からの写真がこのPCに送られて来ないと、この日記やホームページに転載されないではないか。
 電話もやたらとセールスが多い。
 相手の顔が見えない世界は恐ろしいことである。
 匿名の情報化社会は無責任情報の垂れ流しで、それに踊らされて右往左往している自分が情けない。
 顔の無い「ことば」が日常を徘徊している。
 演劇はそうであってはならない!
 「ことば」が無くても顔や肉体が全面に出てくる劇を作りたいものだ。
 
 意味不明と思われようが、「おばけの金太」はスバラシイと付け加えておこう。今月はこれで2回目の登場である。熊本にはこんな面白い人形があるのだ。
 こんな顔で<MEIWAKU>と対決してやろうか!コラッ。

2005/01/17(月) イベント参加を断わりました。/山南
 今年は健康友の会が主催する「文化祭」出演を見送りました。
 2月26日(土)の予定でしたが大阪公演の直前でもあり、その日は既に数名が第一便として大阪に出発している。
 今年で連続4回目の出演になる予定でしたが、舞台の場合はそれなりの準備と集中力が必要であり、やっつけで行なうこと自体、主催者にもお客さんにも失礼であると判断しました。・・・実は「やっつけ」で失敗したことは過去に何度かあるのです。成功したこともありますが、それはまやかしです。 

 夢桟敷が「お断りする」ことは滅多にないことです。
 まして、今回の出演は大変お世話になっている吉野スタジオのオーナーからのお誘いでした。
 声をかけて頂ける内が花でありますが、今回に限り本当に申し訳ありません。改めてお詫びを申し上げます。 

2005/01/16(日) 時にはチンパンジーのように/咲希
前回の「愛の乞食」を上回るとか、なかなか難しいですね。
一生懸命頑張ります。でも、前回も一生懸命に頑張っていたんですね。
同じ程度の頑張り方じゃ、絶対に駄目ですね。
今は、まっちゃんとの望郷のシーンを練習しています。
唐フェスまで時間はまだ少しあります。
ギリギリまですっとんきょうな万寿シャゲを考えようっと。
相棒のまっちゃんをビックリさせようっと。

今日『どうぶつ奇想天外!』を見ていたら、パニックに陥ったチンパンジーが出てきました。
隣で見ていた山南氏に「うん、こんな感じ。万寿シャゲはこれだよ。」って言われました。
万寿シャゲは「愛の乞食」の中で唯一の女子なのに、チンパンジーで良いのかしら…。
0.1秒くらい考えて出した答えは「頑張ります!」
まっちゃん一口くらいワンカップ大関飲んでみなっせ〜。

写真は昨年9月『1945標流記』公演直後のまっちゃんです。
顔のアップにも耐えられる強靭な美肌。コラーゲン、ビタミン、豊富。

2005/01/15(土) マイケルジャクソンのキレを越す/咲希
一月も中盤。唐フェスに向けて、嵐の稽古が始まりました。
当たり前ですが、前回を越す劇を作りますよ。
もうワタシのドロドロ血液が体の中を猛スピードで巡回していますよ。
沢山考え直さなくちゃならない事がありますね。
とりあえずワタシは、マイケルにも勝るキレを追求します。
松田彩佳さんは、ワンカップ大関の愛の深さを追及します。

12月で辻さとみさんが退団しました。
今日久しぶりに顔を出してくれましたよ。
写真が彼女ですね。
お疲れ様でした!

2005/01/13(木) 初稽古/咲希
本日は夢桟敷の初稽古でした。
FOOLISH BONESの伊藤さんが次回の「愛の乞食」に出演してくださいます。
初めて稽古に参加された伊藤さんですが、早くも役のイメージが固まりつつあるようです。
「こういう感じで…」と提案する伊藤さんに劇団員一同は大歓声でした。
流石、今を生きるイカシタお兄様です。ワタシ達との発想が違います。
新鮮です。フレッシュです。
どんな役になっているのかは又後ほど改めて発表致します。

写真はストーブ三台のぬくもりが心地良い今日の稽古場です。
一番手前の彼が、伊藤氏です。乞うご期待!

2005/01/12(水) 劇評■尼崎ロマンポルノ/山南純平
劇評〜親の因果が子に報い
                   
「廓の中、男子の悲しみ」
作演出/橋本匡
1月8日・9日■in→dependent theater 2nd(大阪・日本橋)


(1)廓(くるわ)の中に廓が。
 
 入場の際にもらった案内文には「廓」について「囲い」であると説明されていた。
 当初、尼崎ロマンポルノというネーミングからして「廓」をエロチックに想像をしていたのは私だけだそうだ!
 拉致・監禁・誘拐・殺人などが日常の事件として報道されている今日、「廓」から性犯罪を連想していた私は悲しい。
 どうやら「囲い」は<家族>であり<地域>であり<マスコミ>であったと感じた。
 
 今や人類は、得体の知れないものに囲まれているという不安や恐怖を感じ取っている。諸行無常だから脳天気にもなれるのだ。
 しかし、「廓」は見えない。見えないから、不安や恐怖を日常の概念で見たくなるものだ。
 それは、今にも吹き飛ばされそうな皮革工場の団結(旗)であった。団結(旗)もまた紛れも無い<廓>ではないか!
 被差別の中にも差別があるように、「廓」の中にも更なる「廓」を感じた。
 
 劇は、直球よりも変化球の方が物語りを分厚くするものである。
 尼崎ロマンポルノは変化球型劇団である。(決め付けてゴメンナサイ!)
 皮革部落に「親の因果」の思想で直球を投げると劇にならないのである。
 直球勝負は体育や運動屋さんに任せておけばいいのです。演劇はひねくれればひねくれるほど心に染みてくるのです。
 「因果」こそ胎児の首に巻きついたがんじがらめのヘソの緒です。そう簡単にほぐれるものではない。
 謎が謎を呼ぶ「廓」の中に登場人物たちの「廓」を見た。「廓」の中の「廓」。
 「廓」は人の外にも内にも、実は目には見えないところにあるのだ。

(2)流産したふたりの胎児と千切られた二本の腕は。

 皮革工場で腕が機械に挟まってもぎ取られてしまう場面と、出産の場面を重ねて見せる橋本氏の演出には度肝を抜かれた。
 何かを犠牲にしなければ新しいものは生まれて来ない。
 残酷なようだが、流産したふたりの胎児は三人目に生まれてくるフジという男のために消えてしまったとも言える。
 同時に腕を失ってしまったフジの父(信二)は胎児の「因果応報」だったのではないか。
「親の因果が子に報い」の逆説もあるものだ。「子の因果が親に報う」。
 フジの母(早紀)が<流産の苦しみ>の中で生きている一方で、
 信二は自らの失われた腕がいつか生えてくるという希望の中で生きているのだ。
 フジは、信二が愛して止まない流産した子たちの生きた肉魂でもある。
 現実と幻想の狭間にある<胎児>と<腕>は、ファミコンのように死んでも生き返ってくるのである。
 これはフィクションなのかノンフィクションなのか。現在なのか過去なのか。その中程をゆらゆらと彷徨う劇に私は勇気付けられた。
 悲しいからこそ笑ってしまうギャグが今のお笑いタレントには見当たらない。
 しかし、この劇では芸としての<お笑い>が随所に仕掛けられていた。
 大阪弁によるペーソスの底力を感じた。言葉だけの問題ではない。明らかに役者の力量を感じてしまったのである。

(3)目に見えぬ旗に立ち向かう役者にブラボー。

この工場の正体がテレビのレポーターによって暴かれた時、私は只者ではないドラマに立ち会わされたものだと一瞬たじろいだ。
 「同和利権でお金溜め込んでますよね」
 テレビのレポーター役は村里春奈。(注・彼女が熊本で中学2年生の演劇部からのお付き合いである)
 見えない団結が向こう側から怒りとなって押し寄せてくる場面である。
 「差別に差別加えてがんじがらめになってでも、この旗(団結)振ってやりますわ!」腕のない信二が旗を口にくわえて振りかざす。
 信二にとって大義はない。崩壊した親子関係を取り戻すための私闘なのだ。
 私闘は時として悲しみを深めてしまう。もがけばもがくほど「囲い」が狭くなるのだ。
 それでも、大義をもって大衆を巻き込む国家利権よりは自由が大きい。
 
 家族や地域という「廓」で生きていかざるを得ない日常生活者は、
 <組織>と<個人>の狭間にもう一つの「廓」を見い出していくのだろう。
 「廓」が目に見えないから劇として成立する。目に見えない「廓」こそが私たち(見る側)の想像力だ。
 尼崎ロマンポルノに一本の骨を見た。役者ひとりひとりに芯が通っていたのである。
 いずれこの劇団もメジャーの渦に巻き込まれていくだろう。
 私の予感は百発百中である。

(注)タイトルに「劇評」とありますが、「劇想」の誤りです。

2005/01/10(月) 熊本着/山南
 あっという間の旅であった。
 今朝7時に熊本着。
 この3泊4日(内、2泊はバスの中)で咲希と村上精一、3人でスクラムを組み大阪みなみの街を歩き回ったような気がする。
 一体、何万人とすれ違ったのだろうか?(何十万人かも知れない!)
 目と目がガチンコしたのも千人斬り。心に残る目の数を思い出している。
 とりわけ、ホームレスの人が心に染みた。
 新今宮駅のコインロッカーに昨年11月に放置された赤ちゃんの親を捜している掲示板(ポスター)には驚いた。
 お笑いあり、悲しみあり。そして、いつでも怒りが爆発しそうな空気も感じた。
 熊本では見られないエナジーと路地裏の一杯飲み屋で孤独な影も見た。
 日雇い労働からこぼれ落ちていく人たちは、この冬を越せるのだろうか?すれ違いざまに、ぷーんと匂うワンカップが人生の不平等を教えてくれる。
 何が「自由と民主主義」の国なもんか!
 大阪のホームレスの人々はそれでも目がニコニコしている。それを見つめる住民や店の人々の目もニコニコしている。
 大阪漫才やお笑いは侮れない。
 
 熊本に着くと、仕事が山積みされていた。
 2005年が明けて、熊本に居る時間があまりなかったことに気付いた。
 今日は成人の日でもある。
 そういえば咲希がハタチ。成人式には着物で!・・・そういう意識が全くないのだろうか?
 「親の因果が子に報い」昨日の尼崎ロマンポルノの劇がリアルに突き刺さる。
 私がハタチの成人の日の時は吉本美術で成人式の会場作りのバイトをしたことを思い出した。あれから32年。
 今でも若者たちと付き合える私は幸せ者だ。
 
 大阪で食べた「お好み焼き」と「たこ焼き」が忘れられない。
 それにも増して、大阪の小劇場のパワーと近畿大学のマンモスぶりを忘れる訳にはいかない。
 夢桟敷の春はココに向っているのである。
 春は曙。大阪で夢を咲かせるとするか!
 「愛の乞食」!
 唐十郎さんや流山児さんとココでお会いできれば、劇作家大会熊本で流れた「アングラ劇史」企画の花が咲く。
 こちらのパワーが凄い!でっせ〜ぇ。
 
 熊本に着いたら事務所が戦場になりました。

2005/01/09(日) あけおめ/悠夢■大阪2日目/三人組
あけましておめでとうございまつりまする。
今年初めて日記を書かせて頂きます。
えー、正月は実家に帰っておりました。実家に帰ったら普通では食べられないものがヒマラヤ山脈のように出てきました。体重が1キロ増えましたぁ。ヤッタネ!
さて、そうやって正月気分が抜けないと痛い目にあいます。
劇団夢桟敷は3月から「愛の乞食」の公演に入ります。気をぬとけないというわけでございましょ。
私が今最も気を抜いたらいけません。なぜなら1月の下旬には受験があるからです。
なぜ私がこんなに頑張っているのかというと、1月の受験に失敗したら、大阪の公演と受験日が重なる、という現実にぶつかってしまいました。
そこで私は決心しました。「よし!1月の受験で終わらせよう」と。
今、僕の目玉の隙間から脳みそが出そうなくらい勉強をしています。
明日になったら脳みそだけになっているかもしれません。
それじゃあこのへんで、あっ身体は大切にネ。

       ■■■■■■■

大阪の旅も二日目である。
昨日の日記では書かなかったが、今日は二回目の尼崎ロマンポルノ公演を見る。
この劇団には元・劇団員である村里春奈が所属する。
彼女はテレビのレポーター役で登場していた。
午後4時開演、3ステージ目(楽日)である。客席は満杯を越え、パイプ椅子の追加の作業で開始時間を押す。
私たちはPA・照明卓の後ろの特等席を提供して頂いた。
劇評ならぬ「劇想」は、後日、山南が彼等に原稿を送るということでそのままこのHPへ転載することにした。
骨のある劇団である。
主宰の橋本さんの才能は言うに及ばず、まず役者がいい。活きがいい。
大阪弁が心地よい。だがテーマは深刻であり暴力的でもあった。
つまり危険な劇である。・・・それは「偽善」を排除するかのような「現実」を提示しているからだ。
この劇の裏側に<部落問題>がベッタリ張り付いていた。しかし、劇の暴力的で素敵なところは思想の押し付けがないところだ。
「親の因果が子に報い」
まさに「因果」に自由な想像力を見せてくれた。

大阪の旅も最終日である。
難波をうろついたり、電気の店建ち並ぶ日本橋で「愛の乞食」たちと再び遭遇したり、おばちゃんのノリツッコミにも出会えた。
吉本でおみやげを買ったり、たこやきも食べた。
何よりも収穫だったのは、近大の学生や大阪の小劇場の人たちとコミュニケーションが図られたことだ。
3月の公演では再びお会いすることになるだろう。
大阪はなんて開けっぴろげな街なんだ!
笑顔が明るい街で<面白い文化>が生まれる筈だと痛感した。
「愛の乞食」たちとの共存が街の懐の深さ、人情を感じた。
表情豊かな街である。
ホームレスのみなさん。
この寒い冬を生きて生きて生き延びて下さい。
そして、出会ったみなさん、どうもありがとうございました。

2005/01/08(土) 大阪1日目/三人組
いよいよ3人組(山南・咲希・村上)による大阪初日である。

目が覚めると大阪(なんば)バスターミナルに到着。6時30分。
まずは今夜宿泊予定のホテルへ向う。西成区「動物園前」。いわゆる、日雇い労働者が集中する町らしい。
しばらくホテルに近い喫茶店でモーニングサービスをとる。
ホテル到着が8時。そこで荷物を預かってもらう。宿泊代2100円。インターネットで予約したビジネスホテルであるが、周辺には1000円というところもあった。とにかく安い。

3月に「愛の乞食」を公演する会場を目指す。
JR新今宮(ホテルの近く)はホームレスの人たちで溢れている。
道端に布団をひいて寝ている者までいる。ここは「愛の乞食」に登場する尼蔵やオケラがそのまま生きているではないか。
公衆便所をキャバレーにしても違和感がない劇空間である。
そして、みんなここの人たちの顔がアルコールで緩んでいるように見える。山南の顔と共通する「人間としてのやさしさ?」を感じる。

近畿大学へ到着したのが9時半。
近畿大学芸術フェスティバル実行委員会の大久保さんたちとの待ち合わせ時間よりも早く着きすぎた。
しばらく大学構内をうろつく。マンモス大学である。
学生数23000人。熊本県で言えば宇土市ほどの人口である。大学そのものが都市のようにも見える。
11時に大久保さんと実行委員の方と会い、会場である「アート館」の下見をする。
電気設備や舞台の箱物などは揃っている。ドラやピアノなども借用しよう。高さを表現する仕掛けなどアレコレとプランを練ること1時間。
階段や2階通路を舞台と使用することを決める。

昼食は大学前の商店街で「お好み焼き」を食べる。
実行委員の方から今回の企画エピソードなどを聞く。
唐十郎さんが2月26日(初日)と3月6日(最終日)シンポジュームに来られるようだ。
パンフレットなども頂き、尼崎ロマンポルノ旗上げ公演に向う。
これについては、このホームページ<レポート2005>と明日1月9日のこの日記コーナーに続く。

2005/01/07(金) 本日夜より、いざナニワの旅へ/山南
 今から30年弱むかし。私は一年間だけ大阪でサラリーマンをしていた。
 後も先もサラリーマン生活はこの一年だけである。
 難波花月に通い、今日こそは「横山やすし」の弟子になろうとドキドキしながら舞台を見ていた。殴られようが蹴られようが、私は「横山やすし」の芸に魅せられていたのだ。
 その後、唐十郎や寺山修司、流山児祥、山崎哲、大駱駝鑑(麿赤児)の舞台などに対面し、吉本よりも面白い世界を知った。(今でも、横山やすしは神様だと信じているが・・・)
 芸人が廃れ、タレントが重宝がられているご時世である。
 
 今回の大阪行きの目的は3月の近畿大学での芸術フェっスティバル参加公演の会場下見と元劇団員(村里春奈)の所属する劇団(尼崎ロマンポルノ)の観劇である。
 関西の演劇事情を少しでも感じ取って来よう。
 同行者は咲希と村上精一である。
 どんな珍道中になることやら?まぁ、言葉が通じるところだから大丈夫だとは思うが、新たな出会いが出来そうだ。
 後日の旅日記をお楽しみに!真夜中の九州・山陽道中膝栗毛は高速バスの夢の中に閉じ込めて、目が覚めると明日の朝よりナニワのおばちゃんたちがギャグを飛ばしあっているのかと思うとコリャたまりまへんわ。熊本弁で奇襲するしかなかとですたい。

2005/01/06(木) 正月気分が抜けない/山南
 困ったもんだ。
 会う人に「あけまして・・・」の挨拶ついでについ、アレを飲んでしまう。アレとはビールのことである。
 「いいじゃありませんか。まだ正月ですから」
 「乾杯!今年もよろしく!」
 
 明日から大阪行きです。村上と咲希の三人旅。その準備もあるし、4月のイベントの企画や近畿大学での公演準備に取り掛からなければならない。資金も調達・営業に走り回らなければならない。
 〜なければならないことだらけである。
 
 朝10時からの飲酒が午後になってからもじわじわと効いてきた。
 不良中年。
 お天とう様に背を向けて!
 ヤクザな気分である。

2005/01/05(水) 宇宙遊泳/咲希
昨日、明日の稽古についての意気込みを露にしたのですが、
なんと明日の稽古は中止と云う事実を知ってしまいました。
中止ならば明日は何をしでかそうか。
一人で稽古場に閉じこもろうか。
山南氏が驚くような万寿シャゲを作ろうか。
借りっ放しのCDをそろそろ自分のMDに録音しようか。
近くの公園でいきなり「豆満江と小満江はどちらが深いか!」とか叫んでみようか。
いやいや、大学の課題をバカスカ片っ端から片付けてゆこう。

今日のバイトが終わり、帰宅してココリコミラクルタイプのオムニバスドラマを拝見しました。
坂井真紀と加藤晴彦が出演する『真っ暗な女』にビクッときました。
もしもワタシが演劇をしていなかったら、自分は『真っ暗な女』だと思います。
他にトリエも無いし、こうなったら暗黒舞踏を踊るしかないじゃないですか!
ワタシの親がもし演劇をしていなかったら!想像がつきません。恐ろし!
反抗期の時分『親が敷いたレールの上を歩むなんてまっぴら御免よ。』
と粋がっていました。が、
今はそのレールの上を疾走しているではありませんか!
でも自分の意思で疾走しているよ。
シュッシューシュッシュぽっぽ。
わーい、金魚が見えるよ。

2005/01/04(火) 恐怖/咲希
年末から正月にかけて、非常にゆったりとした時間を過ごしております。
年末は滝本誠にうっとり。正月は自分の体重にびっくり。
6日の初稽古の為に沢山エナジイを充電していますよ。

今日の昼、ぜんざいとコロッケと言う素敵な組み合わせの昼食をとりながら
テーブルに散らばった年賀状を眺めていました。
(ちなみに今年ワタシ宛てに来た年賀状は0枚。0枚!)
うずめ劇場から劇団宛てに来た年賀状がカッコイイのです。
昨年観劇した「夜壷」を反芻してみました。
面白かったなぁとしばし感動に浸り、「愛の乞食」の台本を眺めました。
「愛の乞食」も面白いのです。2ヵ月後が楽しみです。
それまでは嵐の稽古を頑張ります。
台本と一緒に自分の手帳を見つけました。
久しぶりに開いてみると、学校の課題が山積みでした。
明日から学校でした。気が遠くなりました。
数えてみると8個も課題が残っていました。気を失いました。

2005/01/03(月) 寝正月/咲希
あけましておめでとうございます。
今年の正月もずっと寝ていましたが、皆様はどのように過ごしましたでしょうか。
ワタシも数日間、家族と矢部で過ごしていました。
とにかく田舎は飯が美味い。水が美味い、米が美味い、祖父母が元気。
嗚呼、幸せ。
年末は「PRIDE男祭り」を見ていました。
男祭り…女性ホルモンがどんどん補充されていく感じがたまりません。
ヒョードルが強い!ワタシは滝本誠の漢っぷりに惚れました。
元旦は朝から枕を蹴ったりして、滝本誠の余韻に浸っていました。

一年の計は元旦にあり。すっかり計画を立てるのを忘れていたので
今、何か思いつこうと必死です。

あ、思いつきました。
「1月は尼崎ロマンポルノの劇を観て、色々な感想を持つ。」
「3月は近畿大学で『愛の乞食』公演の成功を収める。」
とりあえずはこの2つです。
目先の事だけで精一杯なのは、若くて青い証拠なのです。
アタシだって今を生きるはたちの小娘なのです。
今年も皆さまを希望と混沌の渦に巻き込みます。よろしく。

2005/01/02(日) 初夢のトホホ/山南純平
 熊本の「奥の細道」矢部町で過ごしています。3日まで。
 この2日間で2キロ体重が増えました。近くに通潤温泉があり、連日サウナに入って汗を流しても、その場では300グラムしか体重が減りません。1日で1キロも体重が増えるとは・・・トホホです。
 これでは暗黒舞踏を踊れない。トホホです。椎間板ヘルニアという爆弾持ちとしては理想体重まで10キロ減量を目指します。

 ところで、今朝見た初夢はナント私がプロ野球USAメジャーリーグからスカウトされ渡米して行くものでした。
 小学生の時、ソフトボールでピッチャーの経験があるくらいで何故、野球の夢を見たのか、訳がわからない。テレビでも野球には興味がなく、最近の選手すら知らない。
 そんな私がこんな夢をみるとは・・・トホホです。

 明日(3日)から下関の実家で2泊3日です。
 私の母が88才で生きています。姉家族が面倒をみていますが、家族内では異分子の私も生きている内に親不孝を精算したいものだと、心の片隅で思っています。
 バカ息子は可愛いとよく言われますが、私が演劇を選んで生きているのも親兄弟の反対や不安を押し切っての行動を持続して来られたからこそです。
 今では<専門バカ>としてあきらめてくれています。このまま道を極めます。・・・けっして、プロ野球の選手なんかにはなれません。 

2005/01/01(土) 謹賀新年/劇団夢桟敷
昨年は皆さま大変お世話になりました。この一年間で5本のイベント出演、「1945漂流記」「愛の乞食」の公演
「星砂がくる海」出前芝居、夏合宿や流山児事務所の九州ツアー同行など
夢桟敷の面々は東奔西走駆け巡りました。

2005年を新たに迎え、3月の大阪公演の体制作りをおこないます。
近畿大学での「芸術フェスティバル」に招待され、劇団員一同気合が入っています。
テーマは「唐十郎」の劇世界に絞られ、今日の演劇状況を理解していく上でも
有意義な参加となるでしょう。と同時に熊本では同月「劇作家大会」もおこなわれます。
全国レベルでの体験は更に夢桟敷の活動を広い視野から捉え返す事ができるでしょう。

夏には沖縄の地上戦「1945年」テーマにした劇を沖縄で公演する予定です。
沖縄での公演は5年ぶりになります。
あの時、子どもたった少年少女も青年になりました。
アングラ児童劇団と思われていた時期もありましたが、今、随分成長したものだと
感慨深いものを感じるファンの方も多いと思います。

以降冬より一年間をかけて、つげ義春氏の原作「ねじ式」を各地で公演します。
失われていく<原風景>が、つげ義春氏の漫画にはあります。
失われていく<やさしさ>を取り戻すために演劇の手法で表現していきたいと考えます。
画一的になりつつある都市の論理を田舎の<原風景>を対峙することにより
演劇の<時間><空間>の自由さを提供します。

本年も隅から隅までズズズイと宜しくお願い申し上げます。


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