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2008/03/04(火)
急行銀河の夜<後編>
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<前回までのあらすじ> 廃止となる寝台急行「銀河」に乗りに、用事も無いのに関西に来たひまひま管理人。もったいないもったいないとケチケチぶりを露呈しつつ、京都を旅していたのでした。そして、いよいよ念願の銀河乗車へ。
阪急に乗って京都から大阪へ移動し、銀河の発車時刻を待ちます。列車は発車直前まで入線しないとのこと。ホームに立っていても寒いし、改札内には時間をつぶす店も無い。仕方が無いので地下通路をうろついていました。こういう時、待合室の無い大きな駅は逆に難儀します。 待ちに待った銀河入線。写真を撮ろうと最後尾に向かいましたが、すでに鉄道マニアが大挙して撮影中。こういう時、素直に輪に加わって撮影すればいいのですが、無理して「あんまり興味無いもんねー、たまたま乗ったから撮るだけだもんねー」などと装い、ケータイで適当に撮影したので、案の定ちゃんと撮れてませんでした。自己受容の足りない(?)自分に涙。
そんなわけで、とっとと車内に入って指定された寝台へ。しかし、上段の寝台に上がるのは大変。靴を片手に、よいしょよいしょと梯子をのぼります。 二段式の寝台自体は以前も利用した事があるのですが、この時はバイト仲間で旅行したので、周囲が知らない人ばかりと言うのは今回が初めて。やはり気をつかいます。 向かいの上段は、女性の一人客の様子。早々にカーテンを閉めてしまいました。旅慣れているのか、それともよくわからずに利用してしまったのか。女性にはいかにも厳しい設備です。こちらも早目にカーテンを閉めました。 カーテンで仕切ってしまえば、まるで車窓も見えず、もう寝るしかない。狭い空間でごそごそと浴衣に着替え、薄い毛布をかぶりました。しかし、いざ寝ようと思うと寝られないもの(さっき乗った阪急電車では座りながら寝ていたのに…)。すると、向かいの下段から大音量のいびきが聞こえてきた。うーん…。トイレに行きたくなっても、下段の乗客を起こさないようにそろりそろりと梯子を降りなくてはなりません。なかなか大変です。
廃止となる列車にケチをつけるのは、鉄道マニアの風上にも置けないかも知れませんが…。やはりこの接客設備でそれなりの値段をとるのは、今の時代無理があるだろうなと感じました。かつては三段寝台が当たり前で、そのまた昔は夜行列車と言ってもボックス座席、横になれるだけでも贅沢だったのでしょう。 とは言え、この時は廃止特需で混雑していましたが、晩年の銀河の乗車率は寂しいもので、上段を使わずに下段だけで間に合う日も多かったといいます。皮肉なことですが、乗客の少なさが、逆に設備を改善せずともそこそこ快適な列車にしていたようです。 何のかんの言いつつうとうとと眠り、朝6時過ぎ。横浜到着が近づいてきました。降りる準備を済ませ、通路の跳ね上げ座席に座って最後の車窓を眺めました。工場の壁面にある電光掲示の温度計が示す気温は0.5℃。今朝の横浜は寒そうです。
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