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2020/07/26(日) いだてん名セリフ集(最終回)
 いよいよ大団円の最終回です。盛りだくさんだったので、例によって箇条書きで。

◆第47回「田畑、私は改めてきみに礼を言うよ、ありがとう」(嘉納治五郎)

・開会式前の観客席にて、田畑政治と金栗四三が会う。四三さん、嘉納先生からもらった、聖火ランナーを務めてほしいという手紙をまーちゃんに見せる。「根に持ってるよあんた絶対!諦めきれて無いじゃんねー」「走りませーん、金栗四三は走りませーん」の会話に笑いました。

・インドネシアの不参加が決まり、悔し涙を流す国旗担当の吹浦忠正(この方、『いだてん』の国旗考証も担当しているらしい。つまり登場人物かつスタッフの一員!)。「そうやって泣いたこと、忘れんなよ」と肩を叩くまーちゃんが良かった。

・8月6日に広島で生まれた理由でまーちゃんに聖火の最終ランナーに選ばれ、ナーバスになっている坂井義則。坂井くんになぜ走るか問われ、「今まで何べんも聞かれたばってん、いっちょん分からん」と答える金栗四三(最初に聞いたのは、関東大震災で行方不明になったシマちゃんでしたね)。そして水をぶっかけ、「なーんも考えんと、走ればよか!」と励まします(「めちゃくちゃだよー、あんたいい歳してめちゃくちゃだー!」という店の主人(カンニング竹山)の反応に笑いました)。

「やっと見られるよオリンピックー」嬉しそうな可児先生(90歳)。
・入場行進を見ながら、満州で戦死した弟子の小松勝を思い出す四三さん。「ここから戦地へ向かったんだよ、3万人の若者が」と話すまーちゃん。四三さんにつられて、みんなで万歳する。小松くんが出征する時は、雨に打たれながら行進を睨み続けていたまーちゃんも、今回は大声で万歳するのが感慨深い。
・坂井くん、聖火台に点火。散々「8月6日」呼ばわりしていたまーちゃんは「いいぞ!坂井!坂井義則!」。四三さん「うん!でかした!坂井くんでよかった!」。良かった良かった。
・ブルーインパルスの五輪マークも成功。自衛隊員(演じていたのは鶴瓶の息子さん)のノリが軽いのが、天狗倶楽部を思い出させて良かったな。

・新タクシー運転手で、まさかの脚本家ご本人登場。「おじいちゃん落語家さん?」

・志ん生の娘、美津子が五りんに言うセリフ「落語はサゲの一言で終わっちゃうけど、そうはいかないだろ人の一生は」も良かったな。
・志ん生に詫びを入れに来た五りん。志ん生「忘れねえで来たんだな、よし、出入りを許してやる」。好々爺の晩年の志ん生を演じてきたたけしですが、このシーンの表情は、ちょっと凄みのある北野武になっていました。しかし、五りんのことは大事に描いているなあ。

・試合前の大松監督のセリフ「人道上許しがたき女性の敵、鬼の大松は今日で卒業や。お前ら、勝って嫁に行け、行ってまえ!」。これも良かった。

・そして閉会式。各国の選手がなだれ込んで、入り乱れて行進する。これ、本当はカクさんこと松澤一鶴の演出だったらしいけど、たまたまそうなった…と解釈したほうが面白いですよね。
・閉会式を見ながら、亡くなったはずの嘉納先生とまーちゃんが会話します。「これが、きみが世界に見せたい日本かね」「はい、いかがですか」。1940年の中止になった東京五輪直前、まーちゃんが「いまの日本は、あなたが世界に見せたい日本ですか!?」と訴えるシーン(第37回)が回想で重なります。
・そして嘉納先生がまーちゃんにお礼を。最終回のセリフはこれを選びました。そしてやって来た岩ちんに、まーちゃんは「岩田くん、おれは改めてきみに礼を言うよ、ありがとう」「最高だよ、おれのオリンピックが、みんなのオリンピックになった」と。嘉納先生はまーちゃんの中に生き続けていて、そして受け継がれていくんだな。

・ラスト、ストックホルムのオリンピック委員会から手紙が届き、55年越しでゴールテープを切る金栗四三。志ん生が「走ってる間に妻をめとり、6人の子と10人の孫が生まれました」と四三の言葉を伝えたところで幕が閉まります(最後のたけしのポーズはアドリブとのこと)。

 そんなわけで。盛りだくさん過ぎて長々書いちゃいました。すみません。
 改めて全編見てみて。思った以上に、メッセージがはっきりしているドラマだなあと感じました。それでも説教臭くならず、笑いを欠かさないのがいいよなあ。ほんとに密度が濃いので、もう1回見ても大丈夫そう。なんなら来年、オリンピックやるやらない関係無く、再々放送してくれてもいいですよ(笑)。

2020/07/25(土) いだてん名セリフ集(第45回・第46回+第4回)
 いよいよラスト間近です。ちょっとその前に、録画失敗してスルーしていた第4回が気になっていたので、シナリオ集から選んだセリフを…。

◆第4回「学生の本分を忘れ、かけっこにうつつを抜かすとは…」(金栗実次)
 幸い(?)、この回はあまり大きな進展はありませんでした。校内の競争で銅メダルを取り、憧れの嘉納治五郎に声をかけてもらい、喜び勇んで実家に手紙を書いたら、返ってきたのは兄による説教の手紙…。褒められると思ってたら怒られるのは、辛いよなあ。

◆第45回「ありがとう、いだてん!マラソン馬鹿!」(田畑政治)
 失脚後、自宅で寂しく暮らすまーちゃんこと田畑政治。組織委員会の仲間たちが自宅に来て「裏組織委員会」を開くようになり、元気を取り戻します。その裏組織委員会で、金栗四三が日本中を走破した地図を見て、聖火を全国に走らせることを思いついた時のセリフ。一方で、聖火リレーには若者を走らせるべきで、「ありがとうで終わりだよ、じじいは」なんて言うんだけど。
 菊枝さんの「アレとかナニとか、言ってる本人もわかってないのよ」「何でもいいの、持って行けば。日本酒でもウィスキーでも、『違う!そう!』とか言って、結局飲むでしょ」ってセリフも良かったな。あと、苦悩する大松監督の、まーちゃんにスパイクぶつけながら「わしは人でなしか!非国民か!どっちや!」も(散々ボールぶつけられてるまーちゃんへの、菊枝さんの「ファイト!」には笑いました)。
 実は、この回一番印象に残ったのは、本編じゃなくて紀行コーナーの、東洋の魔女の一人である谷田絹子さんのセリフ。誰のためでも無く自分のためにやっていたと言い、「人のためにできますか?」と。実際に戦っていた人が言うのだから、説得力がありました。

◆第46回「世界平和に背を向ける卑怯者だ!」(田畑政治)
 裏組織委員会にて、「表」の組織委員会の現状を聞き、「組織委員会は政府の顔色うかがう、政府はアメリカの顔色うかがう、何だこれは!誰のオリンピック?」と怒るまーちゃん(「もう我慢ならん!」と服を脱ぎ出すのに笑いました)。そして組織委員会に乗り込み、「いいかよく聞け小役人ども。アメリカにおもねって原爆への憎しみを口にし得ない者は…」と、このセリフを叫びます。ストレートなセリフが嫌味にならないのは、このドラマで描いてきたまーちゃんのキャラクターによるものだなあ。
 あと、父親が危篤なのにも関わらず、すぐに実家から帰ってきて練習に参加する河西昌枝。「そばにおれ言うたやろ!帰れ!」とボールを投げ続ける大西監督と、それを受け続ける河西。辛いシーンだけど、良かったです(徳井問題(?)でカットしなくてほんとに良かった)。

 えー、長くなっちゃったんでここまでにして、次こそほんとに最終回!

2020/07/20(月) いだてん名セリフ集(第43回・第44回)
◆第43回「岩ちん…嘉納さん、なんか言ってないか」(田畑政治)
 まーちゃん、ジャカルタのアジア大会で追い詰められていく…の回。選んだのは、現地から電話をかけてきたまーちゃんのセリフ。「すまん、どうかしてるのは百も承知だ」と続きます。あれだけ傍若無人(?)に突っ走ってきたまーちゃんが、亡くなった嘉納先生にすがる状況になっているのが切ない。
 次点は岩ちんこと岩田幸彰の、知恵ちゃん(五りんの彼女)に対しての「じゃあ向こうでホステスの面接しようか」。ホステスは水商売のそれではなく、最近で言うコンパニオンみたいなもの(コンパニオンも最近言わないか??)。知恵ちゃん、五りんを前にして「友達です、付き添いです」ってひどい(泣)。それにしても、岩ちんの女性好き描写を今までカットし過ぎたせいで(シナリオ集と見比べて)、唐突過ぎてかえっていやらしい印象が(笑)。

◆第44回「やりたいんだ、最後まで!やっとレールを敷いたところなんだ」(田畑政治)
 ついに来た、まーちゃん失脚回。この回は本放送の時印象に残っていて、印象に残り過ぎて、そのまま『そうにゃんさん』のネタにしてしまいました(『二俣川写真日記』をご覧ください)。
 選んだのは、最後の記者会見でまーちゃんが号泣しながら言うセリフ。まーちゃんに泣かされるとはなあ…。散り際の潔さなど無く、未練にあふれているところがすごくいい。自宅でテレビを見つめる菊枝さんも良かった。そして笑う今松にむかついた(いや、自分もテレビ見ながらこういうこと言うよなあって思いましたけど…(笑))。

 第44回は他にもいろいろ印象に残るセリフやシーンがありましたので、以下羅列。
・「奥さん…まーちゃんは…意外と嫌われているんです!」「…でしょうね」
 なぜ田畑ばかりこんなにマスコミに叩かれるのか…と組織委員会の事務局にやってきた菊枝さんと、カクさんこと松澤一鶴の会話。これ、演じる2人のアドリブらしいです。このセリフはよかったと思う。
・「なんだよ戦犯って!戦争じゃない、スポーツやってんだよこっちはよ!」
 岩ちん、ついにぶち切れ、新聞をビリビリに。さすがのまーちゃんも、「…さすが岩ちん、頼もしい」と逆に静かになってしまって(笑)。松坂桃李は『新聞記者』って映画でも組織の中で苦悩する人間を演じていたので、この回は少しだぶって見えました。

 アジア大会における問題追及のため国会招致されたまーちゃん。「どこで間違えたんだ…」と過去を走馬灯のように振り返りつつ、高橋是清への直談判まで遡る。政治に口を出させてしまったのは自分自身だった。初めの段階で間違えていたとは…(この皮肉な感じ、『真田丸』にも通じるものを感じました。やっぱりコメディ作家って趣向が似ているのかな…?)。
 そして、組織委員会でまーちゃん解任の決議が。無理やり退出させられるまーちゃん。「田畑さん抜きで、何を話すんですか」と訴える岩田に対し、「座ってくれ岩田!」と、感情を露にする東都知事。東龍さんの立場も辛いよなあ…。
 終盤、たけし演じる志ん生が、落語の演目『替わり目』の練習をする姿を、遠くから見つめるりん(演じる池波志乃は本物の志ん生の孫)。表情が良かった。若い頃の孝蔵夫婦にも同様のシーンがありましたよね。思い出しているのかな。もしかしたら、本物のおじいちゃんのことも…。

 長くなってしまったので、とりあえずここまで。次回はラスト3回、いよいよ本当に最後です。

2020/07/14(火) いだてん名セリフ集(第40回〜第42回)
◆第40回「早えか遅えか論じるのは、15分間、俺のオリンピック噺を聞いてからにしてくれえ!」(田畑政治)
 この回は好きだなあ。まーちゃんの落語(?)で、戦後から東京オリンピック直前まで一気にワープする力業の回です。15分間というのは、話す相手が当時NHKの解説委員だった平沢和重だから(当時の解説番組が15分間だったらしい。『時論公論』みたいなやつか)。で、オリンピックに反対していた平沢さん、最終的には、まーちゃんの「面白いことをやらなきゃいけない」という言葉に嘉納先生を思い出し、IOC総会でのスピーチを引き受けることになります。
 印象に残ったシーンは、田畑(タバタじゃなくてタハタです)を売ってまーちゃんの選挙費用を用意したのにも関わらず、落選した時の母親の表情。辛すぎる。あと、岩ちんこと岩田幸彰が凄い笑顔で駆け寄ってくるシーン、直前まで彼女と芝生でイチャイチャしていた…というシーンをカットしたせいで、バカみたいになってしまいました(笑)。

◆第41回「貴様のオリンピックではない!これは日本のオリンピックだ」(川島正次郎)
 ラスボス、川島正次郎登場回。このドラマ唯一と言っていい悪役です。でも、この人のおかげでラストへ向けてぐんぐん面白くなっていったと言えるよなあ。そんなわけで、選んだのはその川島のセリフ。この後のまーちゃんとのやり取りも緊張感があっていいのです。
 そして徳井義実(女子バレーの大松監督役)の不祥事を受けて、出演シーンをカットしたと言いつつ、がっつり出まくっていて、一体どこをカットしたのかと本放送時に話題になった問題(?)回でもありました。
 あと、なぜ選手村を代々木に作ることに拘るのか、平沢さんに問われた時のまーちゃんの答えが良かったな。

◆第42回「オリンピックが来るまでに…私は高座に上がれるかな」(古今亭志ん生)
 まーちゃんが時の総理大臣、池田勇人に直談判、選手村を代々木に持ってくることに成功します。しかし、オリンピックがきっかけでNHKが現在の場所にあるとは知らなかったなあ。政治に巻き込まれていくオリンピックの姿を描いているドラマだけど、NHKと政治も切り離せないんだろうなあ…と複雑な気持ちになってしまいます。
 選んだセリフは、またもオリンピックではなく志ん生師匠のセリフから。弟子の五りんにおぶわれながらつぶやきます。横に墓場が広がっているという映像にドキリとしました。
 死んでもなお、まーちゃんにいろいろ言い続ける嘉納先生も良かった。まーちゃんの中で生き続けているわけですね。遺志が受け継がれていくというのが、このドラマの大きなテーマかも知れない。
 さて、次週(もう今週だけど)はいよいよ最終週!

2020/07/12(日) いだてん名セリフ集(第37回〜第39回)
◆第37回「ダメだ、こんな国でオリンピックやっちゃあ、オリンピックに失礼です」(田畑政治)
 嘉納治五郎最後の回(この後も回想や声だけで毎回出てくるけど)。まーちゃんがオリンピック辞退を訴え、これが最後の会話になる…。切ない。この時の嘉納先生の表情が何とも言えずよかった。もともと印象深い回だったけど、今となってはとても昔の話とは思えません。
 次点はうって変わって、スヤさんの「小松勝、デレデレしとったばい!小松勝、盛りのついた肥後もっこすばい!」。なぜか小松勝を連呼。基本的にスヤさんはいつも断定口調ですね。
 おまけは、嘉納先生に「いままで一番面白かったこと」を問われて、言うに事欠いて「今朝、大便の形が偶然、平沢の『ひ』の字に…」などと言い出す、外交官の平沢和重(当然嘉納先生はスルー)。放送ではいろいろカットになったセリフがあるのに、なぜここは残したのか謎。

◆第38回「嘉納さんは、もういません」(副島道正)
 志ん生倒れる。そして今までこのドラマが描いてきたことが、全てつながり始める回。
選んだのは、オリンピックを返上すべきと主張するIOC委員の副島道正のセリフ。「嘉納先生はやってほしいんじゃないかな、俺はいいけど、嘉納はどうかなー」と止めようとするまーちゃんに対してこのセリフを言います。「いるんだよ、ここに!」と形見のストップウォッチを見せて訴えるまーちゃんでしたが、副島さんの決心は固かったのでした。
 次点は、大本営発表を受けて万歳する記者たちの中、黙っているまーちゃんに小声で「田畑、ウソでも喜べ」と諭す上司の緒方竹虎。短いセリフですけど、世相を表して怖かった。

◆第39回「なあに、今は俺たちだけの貧乏じゃねえ、今度は日本中がとびっきりの貧乏だ」(美濃部孝蔵)
 宮藤官九郎が一番描きたかったという、満州時代の志ん生(そもそも題材として先に志ん生があって、金栗四三は後付け、田畑政治はそのさらに後付けのようなのです。それでもちゃんと話が繋がるのがさすが)。つらい話だったけど、最後、日本に戻ってきて孝蔵が前向きにこのセリフを言います。暗いままで終わらないのがこのドラマのいいところ。
 そして次週は、戦後の東京五輪直前に一気に話が進みます。

2020/07/05(日) いだてん名セリフ集(第34回〜第36回)
◆第34回「寂しくなかこつ、あるわけなかろが!」(池部幾江)
 226事件の回。前半はこのドラマでは珍しく、ほとんど笑いゼロの緊迫した雰囲気。しかしシナリオ集に載っていた演出家の座談会で、この回の担当者が、まーちゃんが怒りながら菊枝さんに言った「新婚旅行はいずれ行く!いいか、世界一周だ!」というセリフをカットしたことを、クドカンさんがラジオで怒っていた…といったことを話していました。緊迫感を出したくて敢えてカットしたのだとは思うけど、ここでちょっと緩めるのもこのドラマの持ち味だし…セリフの取捨選択は難しいです。
 さて、選んだのは、嘉納先生に呼ばれて東京へ行くことを話した後、「俺なんか、おらんでも寂しくなかでしょうが」と言った金栗さんに対して、激昂しながら幾江さんが言ったセリフ。この後も長いセリフが続くんだけど、いいんだよなあ。金栗さんじゃなくても泣いちゃう。

◆第35回「それじゃダメかね、金栗さん?」(黒坂辛作)
 ベルリンオリンピック開幕。画面の色がグレーがかって、陰鬱さが際立ちます。選んだのはハリマヤの辛作さんのセリフ。マラソンで1位と3位を勝ち取った朝鮮出身の孫選手と南選手。流れる君が代を聞きながら「どんな気持ちだろうね」と慮る息子の前で、「俺はうれしいよ、日本人だろうが朝鮮人だろうがドイツ人だろうがアメリカ人だろうが、俺の作った足袋履いて走った選手はちゃんと応援するし、勝ったらうれしい」。そして上記のセリフへと続きます。
 取ってつけたようなアリバイ的なセリフだと批判する方もいるでしょうが、いまのご時世で、こうした話をスルーせずに取り上げること自体、きちんと評価したいと思います。

◆第36回「アレしてもらってダンケシェン!」(田畑政治)
 なんと、第4回以来の録画失敗…。「前畑がんばれ」の重要回なのに…(泣)。
 やむなく、シナリオ集を読んでセリフを選びました。選んだのは、まさかのヒトラー登場で、まーちゃんがラトゥール(IOC会長)の「日本はヒトラーに感謝したまえ」という言葉を思い出して叫んだセリフ。「ヒトラーさん!オリンピックを東京にナニする件では…(上記のセリフに続く)。もともと「笑って泣ける」ドラマでしたけど、「全然笑えない話なのに、笑ってしまう」という新境地に達したように思えました。そしてオリンピック終了後、ユダヤ人通訳のヤーコプが自殺したと聞かされる…辛すぎます。
 さて、次週は(もう再放送も終わってるんだけど)、いよいよこのドラマの山場とも言える回が続きます。


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