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2020/09/19(土)
幼い日の忘れていた思い出
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先月録画した、終戦の日前後に放送された特番2本を、1ヶ月以上経ってようやく見ました。こういう番組は気力体力に余裕がある時でないと見られない。 1本目は、テレビ東京で放送された『池上彰の戦争を考える』という番組。この番組、毎年テーマを変えて放送されているのですが、今までは夜のゴールデンタイムに放送されていたのに、今年は日中の放送。池上さんを出したところでこういう固い番組はもう視聴率が取れないんだろうなあ…と思ってしまいます。 今年は、新型コロナ流行の時世に因んで、「戦争と感染症」がテーマでした。八重山諸島でのマラリア感染の悲劇を取材しています。内容の詳細は省きますが、見終わった後、国というのは、国民を信用していないし、助けないし、いざとなれば見捨てるんだなあ…と、すっかり暗くなってしまいました。 もう1本は、NHKスペシャル『忘れられた戦後補償』。軍人は補償を受けられるのに、戦争被害に遭っても補償を受けられない民間人をテーマにした番組です。こちらも、国は国民を助けない、見捨てるというのは先の番組と同様。さらに、補償を求める人々に対して、手紙などで心無い言葉を使って非難する人々(「欲張り婆さん」とか「乞食根性」とか…)。なんで国民が、同じ国民を攻撃するのだろう。こんな卑劣な人々はここ最近のものだと思っていたら、ずっと昔から存在していたのか…。もはやこれが私たちの国民性なのかも知れないと思い、ますます暗くなってしまいました。
そういえば…と思い出したのが、子どものころ、祖母に連れられて行った酉の市(歌丸師匠生誕の地、真金町!)。片腕が無く、義手をつけ軍服を着た年配の男性と、横で悲しげなアコーディオンを奏でている同じく軍服の男性。正確な言葉は忘れてしまいましたが、お恵みを求めていました。小さかった私にとっては、衝撃的な光景でした。 「おばあちゃん、お金あげなくていいの…?」と聞いたら、「軍人さんは恩給をもらってるんだから、あげなくていいの!」とぴしゃりと言われ、それ以上何も言えませんでした。 いつも優しい祖母がなぜそんなきつい言い方をしたのかわかりませんでしたが(しかも祖母はクリスチャン)、正直、義手の軍人さんの姿がトラウマのように怖くて、その日の記憶は心の奥底にしまっていました。そうこうするうちに月日は流れ、そんな出来事もすっかり忘れて、祖母はおろか両親もすでにこの世にはいないので、今となっては祖母の真意は確かめようもありません。
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