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2022/09/22(木)
ひまひま昔の朝ドラ日記(芋たこなんきん、最後まで見た)
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5月のひまひま日記で話題にした再放送朝ドラ『芋たこなんきん』、とうとう終わってしまいました。 5月の日記で書いた通り、放送当時はそれほどはまらなかったのですが、今回見てみると、思いのほか面白かった。特に、主人公の子どもの頃と現在が行ったり来たりする独特の構成の前半が、他の朝ドラとは異質でとても良かったです(まあ、『いだてん』が証明している通り、時系列が行ったり来たりするドラマは視聴率が悪いからなあ…)。 ウェブ記事のインタビューで当時の演出スタッフの話を読んだのですが、「ぶっちゃけて言うと、藤山直美さんのスケジュールが半年間押さえられなかった」、でも最初から藤山直美を出したいということで、このような構成になったらしい(ぶっちゃけ過ぎだと思いますが(笑))。でも、結果的にこれで良かったと思います。
後半は、ゲストキャラが出てきて1週間で問題解決のエピソードが多く、普通の朝ドラになっちゃった感じが若干しましたが、最後の3週間でぐっと盛り上がって終了しました。シリアスで辛い展開なんだけど、決して泣かせに走らないところがいいと思うのです。 今回全編通して見てみて、このドラマは向き合うことをテーマにしているのかも知れない、と感じました。相手に向き合うこと、自分自身に向き合うこと、仕事上の責任に向き合うこと、そして病や死とも向き合うこと。放送当時は、若干の説教臭さも感じたのですが、基本的に笑いはありつつもとても生真面目なドラマなのかも知れない。 そして迎えた最終回、おなじみのテーマ曲をバックに(この曲もとても好きなのです)、前を向いて進むエンディング。ご近所さんとしてご本人(田辺聖子さんと秘書の方)が登場。ちょっと笑顔で会釈するだけだけど、これで「実在の人物をモデルにしたフィクションです」なんて無粋なテロップ出さなくても、視聴者にすべて伝わりますもんね。
なんかほめ過ぎたような気もするけど、ほんとに、思っていたよりずっと良い朝ドラでした。 若年層を思い切って切り捨てた(?)ことで、このようなドラマにできたのかも知れません。だから、私を含め当時若年層だった人たちが、今になって面白いと言っているのかも。脚本家さんも(今は奄美…ではなく石垣でバーをやっているらしい)、インタビューで、当時は全く評価されなかったのに(!)いまSNSなどで評価されていて嬉しい、といったことを言っていました。SNSがドラマを不自由にさせている印象もあったけど、逆に過去のドラマが再評価されるプラス面もあるんだな。 NHKには、そろそろまたこのような「若年層切り捨て朝ドラ」(←言い方が悪い)をやってほしいなあ、と思ったのでした。
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